東京物語

東京物語

奥田 英朗

出版社:集英社 出版年月日:2004/09/22

集英社 | 2004/09/22

4.25
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

直木賞作家の作品ということでレビューを参考にして購入してみました。1978年の上京から80年代のバブル期へと移る時代を背景に、主人公が少しずつ大人になっていく様子が描かれているのですね。 読んでみて感じたのは、あの時代を知る世代にとっては懐かしさがある一方で、全体的には期待していたほどの深い感動や新しい発見がなかったということです。青春グラフィティというコンセプトは理解できますが、登場人物たちとの関係構築に時間がかかり、途中少し読むのが進まないところもありました。 ただし文章自体は丁寧で読みやすく、バブル期の東京の空気感が伝わってくる部分は良かったと思います。あの頃を生きた人間としては、懐かしい風景や出来事が次々と現れるのは嬉しいものでした。 可もなく不可もない、というのが正直な感想です。名作というほどではありませんが、つまらないわけでもなく、静かに読み進められる一冊。時間に余裕があり、昭和から平成への時代の変わり目に興味のある方にはお勧めできます。

感想

この本、一気読みしちゃいました。1978年の上京から80年代のバブル期へと向かう主人公・久雄の成長をたどる話なんですが、親の反対を押し切って東京へ飛び出すというその勇気だけで、もう引き込まれてしまいます。 嘱託社員の身としては、若い頃のあの迷いながらも前に進もうとする気持ちが懐かしくて、ページをめくるたびに胸がときめきました。あの時代の東京の空気感、キラキラしていながらもどこか儚い雰囲気が見事に表現されていて、読んでいて当時を思い出させてくれます。 直木賞作家というのも納得の筆致で、青春グラフィティというタイトル通り、眩しくて懐かしい時代の風景が蘇るような感覚。決して派手な物語ではないけれど、人間が大人になっていくその過程の微妙な心の揺らぎが丁寧に描かれているのがいい。気軽に読める文庫サイズも手に取りやすく、何度も読み返したくなる一冊です。

感想

1978年の上京という設定に、思わず自分の若き日々を重ねてしまいました。バブル期の東京を舞台にした青春グラフィティということで、懐かしさと眩しさが詰まっているだろうと予想しながら読み始めたのですが、期待以上でした。 主人公・久雄が親の反対を押し切って東京へ出てくる場面から、既に引き込まれます。地方から出てきた若者が、急速に変わる都市の中で、時に戸惑い、時に希望を感じながら少しずつ大人になっていく過程が、本当に丁寧に描かれているんです。 あの時代の東京の空気感、若者たちの熱気、夢と現実のギャップ。全てが懐かしく、そして切実に感じられました。直木賞作家だからこそ出来る、細やかなディテールと人間関係の描き方が素晴らしい。気軽に読めるのに、読み終わった後は心が温かくなります。 人生の折り返しを過ぎた今だからこそ、この物語の良さが一層響くのかもしれません。あの時代を知る方にも、知らない世代にも、ぜひ手に取ってほしい一冊です。

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