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町民C、勇者様に拉致される(4)

町民C、勇者様に拉致される(4)

つくえ アルファポリス 2013年10月1日

感想

思いのほか手に取ってしまった児童向けライトノベルだが、ここまで来たら終わりまで付き合おうと最終巻に至った。 正直なところ、このシリーズを人文書の合間に読むというのは気分転換としては悪くない。主人公が平凡な町民Cであるという設定の逆転の面白さ、そしてひとりツッコミを駆使した軽妙な語り口は、時に笑いを誘う。ただし、それだけだ。 最終巻ということで壮大なクライマックスを期待していたが、このジャンルの限界をひしひしと感じる。複雑な人間関係の深掘りや、哲学的な葛藤といった読みごたえがある作品を好む身としては、物語としての厚みに物足りなさが残る。勇者と魔王の対立という二項対立の構図も、善悪の問題を単純化しすぎているように思える。 エンターテインメント性と完成度のバランスを考えると、及第点といったところか。シリーズの通読者ならば最後まで読む価値はあるだろう。だが、来年も同じジャンルの新刊を手にするかというと、正直な所、別の棚に目が行く可能性が高い。一つの体験として悪くはないが、人生を変える一冊ではない、という評価だ。