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MY LITTLE PARIS(P)

MY LITTLE PARIS(P)

FANY PECHIODAT ACC ART BOOKS (UK) 2011年1月1日

パリを舞台にした本作は、私のような中年の読書家にとって興味深い一冊だ。ACC ART BOOKSの出版物らしく、ビジュアルと文章のバランスが秀逸である。 謎解きの構成が巧妙で、表面的な物語の進行とは別に、深い思考の層が組み込まれている。自営業で人生経験を重ねた身からすると、登場人物たちの心理描写が実に説得力を持って響く。パリという都市そのものが一つのキャラクターとなり、物語を通じて読者に語りかけてくるような感覚すら覚える。 翻訳ものにありがちな不自然さもなく、原著の魅力を十分に引き出している。ミステリ要素と人文的な深みが融合した作品として、評価の高い理由も納得できる。 若干、中盤のペース配分に工夫の余地があるかもしれないが、総じて満足できる読了感だ。パリへの憧憬、謎解きの喜び、人間模様への洞察――これらが見事に織り交ぜられた傑作といえよう。同ジャンルのさらなる作品も読みたいと思わせる一冊である。