MY LITTLE PARIS(P)

MY LITTLE PARIS(P)

FANY PECHIODAT

出版社:ACC ART BOOKS (UK) 出版年月日:2011/01/01

ACC ART BOOKS (UK) | 2011/01/01

4.00
本棚登録:2人

みんなの感想

洋書は初めてでしたが、このタイトルに惹かれて手に取りました。パリを舞台にしたミステリーということで、どんな内容か慎重に調べてから購入したんですが、正解だったと思います。 物語の設定がしっかりしていて、パリという街の魅力が随所に感じられます。謎解きの部分も無理なく構成されていて、ページをめくる手が止まりませんでした。英語の表現も比較的理解しやすく、洋書に不安を持っていた自分でも最後まで読み進めることができました。 ただ、物語の展開が予想できる部分もあったので、もう少し意外性があればなお良かったかなと思います。それでも、パリへの興味が深まったし、海外文学への扉が開けた気がします。新社会人として、仕事の息抜きに読むのにちょうど良い難易度です。 洋書初心者だけど、ミステリー好きな人にはおすすめできます。

パリを舞台にした本作は、私のような中年の読書家にとって興味深い一冊だ。ACC ART BOOKSの出版物らしく、ビジュアルと文章のバランスが秀逸である。 謎解きの構成が巧妙で、表面的な物語の進行とは別に、深い思考の層が組み込まれている。自営業で人生経験を重ねた身からすると、登場人物たちの心理描写が実に説得力を持って響く。パリという都市そのものが一つのキャラクターとなり、物語を通じて読者に語りかけてくるような感覚すら覚える。 翻訳ものにありがちな不自然さもなく、原著の魅力を十分に引き出している。ミステリ要素と人文的な深みが融合した作品として、評価の高い理由も納得できる。 若干、中盤のペース配分に工夫の余地があるかもしれないが、総じて満足できる読了感だ。パリへの憧憬、謎解きの喜び、人間模様への洞察――これらが見事に織り交ぜられた傑作といえよう。同ジャンルのさらなる作品も読みたいと思わせる一冊である。