novelhunterの本棚
感想

芥川賞受賞の話題作ということで手に取ってみたんですが、これはもう一度読み直したい本でした。 吃音という障害を抱えた叔父との関係を通じて、「普通」って何だろう、ってことを問い直す物語なんですが、その問いかけ方が本当に柔らかくて面白い。叔父は型破りな人物ですけど、決して説教的ではなくて、読んでいて自分もどんどん彼の視点に引き込まれていく感じがしました。 特に言葉の選び方が秀逸で、選考委員のコメントにあった「音に身を寄せた精密な言葉送り」ってまさにその通りだなあと。公務員という割と堅い職業柄、つい思考が窮屈になることもあるんですが、この本を読んでると心がふわっと軽くなるというか、別の角度から世界が見える気がします。 短編のような各エピソードがキラキラしていて、繰り返し読むたびに新しい発見があるのも素敵。気軽に楽しめるけど、ちゃんと深い。こういう小説との出会いがあるから、読書ってやめられません。