成瀬は信じた道をいく
新潮社 | 2024/01/24
みんなの感想
成瀬シリーズの続編ということで期待して読みました。正直、前作を読んでからしばらく経っていたので、成瀬あかりというキャラクターをちゃんと覚えているか不安だったんですが、すぐに彼女の世界に引き込まれました。 この作品の面白さは、成瀬という軸がありながらも、毎話異なる登場人物たちの視点を通じて物語が広がっていくところですね。エンジニアとして論理的に考える癖がある私も、こういう多角的なストーリー展開には心がときめきます。小学生ファンの話、父親の葛藤、女子大生のキャリアの悩み...どれもが成瀬との交差で新しい色が出ていて、短編の集合というより一つの大きな物語として成立しているのが素晴らしい。 ただ一つ、終盤の展開にはちょっと驚きました。成瀬の行動の真意が最後まで完全には明かされない部分があって、それが謎のままというのは...賛否分かれるかもしれません。私個人としては、その曖昧さも含めて成瀬らしいなと感じたので、気に入っています。気軽に読める長さながら、読み応えのある良い本でした。
前作が好きだったので、続編の『成瀬は信じた道をいく』をさっそく手に取りました。期待以上の面白さです! 成瀬という個性的なキャラクターに次々と絡んでくるいろんな人物たち。小学生ファンから受験生の父親、クレーマー主婦、観光大使志望の女子大生……こんなにバラバラな視点から成瀬という一人の人間が描かれるのって、すごく新鮮でした。公務員としてルーティンの多い日常を過ごしているからか、こういう予測不能な人間模様って本当に心がときめきます。 5篇の短編集という構成もいいペース配分で、通勤時間や休憩時間にちょうどよく読める。それぞれの話が独立しながらもつながっていく感じも、読んでいて「あ、あの人が!」と小さな喜びがあります。 最後の失踪設定はもう、もう気になってしょうがない。続きがあるのかな……?どちらにしても、これからも成瀬という人物を追っていきたくなる一冊です。楽しませてもらいました。
前作「成瀬は天下を取りにいく」が好評だったこともあり、期待しながら手に取りました。連作形式の本作は、個性的なゲストキャラクターたちと成瀬あかりが交わる瞬間を丁寧に描いた短編集です。 管理職という立場で日々様々な人間関係に向き合う私にとって、この作品の視点の置き方がとても興味深かった。成瀬という軸がありながらも、小学生から中高年まで異なる世代の思考や葛藤にそれぞれ寄り添う著者の筆致は秀逸です。各篇の後半に用意された予想外の展開も、読者を引き込む工夫として効果的でした。 ただ、全5篇という構成で、連作の統一感を保ちながらも個々の話に充分な深さを持たせるには、やや詰め込まれた感があるのは正直なところ。特に後半の篇では、もう少し余韻を持たせてほしかった気も します。 それでも、登場人物たちの選択や成瀬の行動の理由を追い求めながら読み進める体験は、やはり心地よい。大人が読んで納得できる、洗練された短編集として推薦できる一冊です。
話題作ということで、前作『成瀬は天下を取りにいく』の続編を期待して手に取りました。成瀬あかりという唯一無二のキャラクターが再び登場し、様々な人物との交差を描く構成は興味深いのですが、読み進めるうちに少し物足りなさを感じてしまいました。 前作の勢いと独創性が、今作では幾分か薄れているように感じられます。個性豊かな登場人物たちとのエピソードは丁寧に描かれているものの、それぞれが断片的で、全体として一つの物語に統一されていないような印象を受けました。特に後半の展開は、成瀬というキャラクターの魅力をもう一度見つめ直したいという期待とは異なる方向へ進んでしまったように思います。 短編5篇の構成も、良い面と課題がありますね。読み応えはあるのですが、各篇が独立しすぎて、全体を通しての深い余韻が残りにくいのです。58年生きてきた人間として、もっと一貫した思想や人間観を感じたかった。同じ作者の作品なら、もう一度『天下を取りにいく』を開き直すほうが、充実感があるかもしれません。
前作「成瀬は信じた道をいく」のファンだったので、続編が出ると知ったときは迷わず手に取りました。慎重に選ぶ方ですが、このシリーズはレビューの評判も良かったので安心して読めます。 成瀬あかりという主人公の魅力は、その予測不能さにあると改めて感じました。周囲の登場人物たちが彼女とどう交差し、どう影響を受けるのかを描く構成は本当によく計算されています。小学生から女子大生、クレーマー主婦まで、バラエティに富んだ視点から成瀬を見つめることで、一人の人間の複雑さが立体的に浮かび上がるんです。 39歳の仕事人間として読むと、特に「受験を見守る父」の話に心を掴まれました。人生のいろいろな局面で、後悔と希望が交錯する感覚が自分事のように感じられて。全5篇という構成も緩急があり、一気読みしてしまいました。 完成度の高い短編集であり、同時に長編としての奥深さも備えています。成瀬という存在をもっと知りたくなる、そういう良い意味での続きが気になる読後感が素晴らしい。忙しい時期でも読み続けたくなる力があります。
前作からずいぶん時間が経ったので、成瀬の続きがあると知ってさっそく手に取りました。正直なところ、シリーズものは後の作品で失速することもあるので、ちょっと心配だったんです。ですが、その懸念は杞憂に終わりました。 本書では、成瀬という主人公を中心に、実に多彩な登場人物たちが織りなす5つの短編が収録されています。子どもから大人まで、様々な立場の人間が成瀬と出会い、その人生に影響を受ける様子が丹念に描かれていて、読んでいて引き込まれます。 特に印象的だったのは、各編ごとに視点が変わることで、成瀬という人物の多面性が浮き彫りになるところです。同じ人物でも、見る角度によって見え方が違うんだなあと改めて気づかされました。また、予測がつかない展開も多く、最後の失踪の場面では本当に驚きました。 前作を読んでいることが前提ですが、それでも十分に楽しめる構成になっていると思います。シリーズファンはもちろん、人間模様を丁寧に描いた作品が好きな方には強くお勧めしたい一冊です。
成瀬あかりシリーズの新作を読了した。やはり素晴らしい。前作から引き続き、この独特な女性を中心に展開する五編の物語は、どれもが心に残る仕上がりになっている。 80年も生きていると、人間関係の複雑さについて思い知ることが多いが、この作品はそれを見事に表現している。成瀬という主人公は、周囲の様々な人物たちとの交差を通じて、誰もが自分の人生を真摯に歩もうとしていることを教えてくれる。小学生から父親、そして女子大生まで、登場人物たちの物語が織り交ぜられるその手法は秀逸だ。 特に印象的なのは、各編で異なる視点から成瀬という存在が描かれることで、人物の奥深さがより一層引き立つということである。これこそが文学の醍醐味ではないか。話題作とも聞いていたが、納得のベストセラーである。 最後の失踪という展開には、つい引き込まれてしまった。読み応えは申し分なく、まさにこの年になっても新しい発見のある本との出会いに感謝する。次の作品も是非読みたいと思わせる傑作だ。
成瀬あかりのシリーズ第二弾、待ってました!前作から成瀬という主人公のとりこになっていたので、今回の続編は本当に嬉しい一冊です。 相変わらず成瀬は予測不能な行動をしてくれるのですが、今作では彼女の周囲の人物描写がより豊かになった印象を受けました。小学生ファンから受験生の父親、クレーマー主婦、野心的な女子大生まで——実に多様なキャラクターが登場し、それぞれの人生が成瀬と交差することで物語に深みが出ています。 主夫として家庭や近所付き合いの機微を知る身として、このエッセイ的なアプローチには共感することが多かったです。人間関係の複雑さ、予期しない展開への対応、そして誰もが秘めている葛藤——こうした要素が丁寧に描かれていて、気がつけば一気読みしていました。 全五篇の構成も読みやすく、話題性も高いので、同じように人間関係の物語に興味がある方にはぜひ勧めたい作品です。成瀬の謎めいた行動の真意も気になるところ。次作への期待が膨らみます。
成瀬あかりの続編が出ると聞いて、前作を読み返してから手に取りました。慎重に選ぶ私ですが、この作品は期待を裏切りませんでした。 前作の魅力はそのままに、成瀬という不思議な女性を中心に、周囲の人間関係がより複雑に、そして温かく描かれています。小学生のファンから受験生の親、クレーマー気質の主婦まで、様々な立場の人物が登場するのですが、どのエピソードもしっかり成瀬と交差し、何か大切なものを残していく。その構成の巧みさに引き込まれました。 特に印象的だったのは、日常の中にひそむ人間らしい悩みや葛藤の描き方です。育児の傍ら読んでいるので、親目線で共感できる場面も多くありました。 最後の失踪という謎めいた展開は、予想できない面白さです。次はどうなるのか、続きが気になって仕方ありません。読み応えのある傑作だと思います。同じように慎重に本を選ぶ方には、ぜひお勧めしたい一冊です。