歴史の大きな転換期を舞台にしながら、料理という日常の営みを通じて人間関係の機微を描く、本当に好きなシリーズです。このお勝手のあん編も、相変わらず素敵でした。 おやすという女料理人を中心に、土方歳三など実在した人物たちが次々と登場するんですが、それぞれの再会シーンが本当にいい。当時の京都の情勢が背景にあるのに、紅屋という一軒の料理屋に集う人々の温かさが際立っていて、読んでいてほっこりしました。 印象的だったのは、政一という料理人への向き合い方と、おしげという女中頭の成長が重ねられていく部分。さりげないようでいて、紅屋という場所の未来を見つめるおやすの視点が素敵でした。そして終盤の豆づくしの注文という仕掛けも、人物描写とうまく絡み合っていて。 気軽に読める歴史冒険小説のようでいながら、実は登場人物たちへの向き合い方が深い。公務員の日常に疲れた時の、最高のリセット本になっています。シリーズ追い続けたい。
最近登録された他の本の感想
2026年09月13日
『屍人荘の殺人』シリーズの第3弾ということで、期待値高めで手に取りました。廃墟遊園地という舞台設定だけで既にワクワクしていたのですが、予想を上回るエンタメ性の高さでした。 兇人邸という奇妙な屋敷を舞台にした本格ミステリーなのですが、単なる怖い話ではなく、謎解きの楽しさがしっかり詰まっているのが良いですね。登場人物たちが次々と危機に直面する緊張感と、葉村と比留子のコンビの掛け合いのテンポの良さが心地よいバランスを取っています。 公務員生活で疲れた夜に、つい徹夜してしまいました。仕事中の気分転換に読んでいた時期もあるのですが、ページをめくる手が止まりません。綾辻行人との対談も収録されているので、ミステリーの奥深さに興味がある人にはボーナストラックのような感覚で楽しめると思います。 シリーズ作品とはいえ独立して読める構成なので、気軽に手に取りやすいのも◎。気負わず気持ちよく読めるミステリーを探している方には特におすすめです。
2026年09月09日
直木賞につながる「森」シリーズとのことで、期待を持って手に取った一冊です。マタギの言葉「山は半分殺してちょうどいい」という印象的なフレーズが出発点になっているだけあって、人間と自然の関係性についてじっくり考えさせられます。 ただ正直なところ、テーマの重さに比べると、物語としての盛り上がりに少し物足りなさを感じてしまいました。編集者・美佐子の視点を通じて、山での体験や人物たちとの交流が丁寧に描かれているのですが、どこか淡々と進む印象で、ぐっと引き込まれるような瞬間が少なかったというか。 仕事帰りに気軽に読むには、もう少し読み心地の軽さがあればよかったのかもしれません。ただ、自然との共生や人間の営みについて静かに考えを深める、そういった読み方には向いている作品だと思います。決して悪くはないのですが、自分の好みではなかったというのが率直な感想ですね。
2026年09月09日
職場の人間関係で悶々としていた時期に、同僚がこの本を勧めてくれました。対人関係の悩みが全ての悩みの根源だという考え方に、最初は疑問を感じていたのですが、読み進めるうちにその説得力に引き込まれてしまいました。 哲学者と青年の対話形式という構成が、本当に上手だなって思います。説教的にならず、むしろ青年の疑問や反発を通じて読者の疑問も一緒に解消されていく感じ。アドラーの思想がどんどん腑に落ちていきます。 特に印象的だったのは「他者の期待を満たすために生きる必要はない」というメッセージ。公務員として社会的期待の中で生きている自分にはグサッときました。でも同時に、肩の力が抜ける感覚も覚えました。難しい心理学の理論なのに、読後は不思議と気持ちが軽くなっているんです。 完璧さを求める傾向がある私にとって、この本の教えはちょうど良い処方箋になりました。気軽に読めるビジネス書として、そして人生を考えるきっかけとして、両面で満足しています。
2026年09月02日
密閉された地下建築で起こる殺人事件―このプロットだけで既に惹き込まれましたが、想像以上に面白かった。地震で扉がふさがれ、水が迫る中での犯人探しというシチュエーションが、本当に息つく暇もないほどの緊張感を生み出しています。 最初は謎解きミステリーとして楽しんでいたのですが、物語が進むにつれて、単なる犯人探しではなく、極限状況での人間の本質が問われる深さに気づかされました。生き残るために犯人を見つけなければならない―その焦燥感が、登場人物たちの心理描写に見事に反映されていて、思わず引き込まれます。 何より驚いたのは、終盤の〈真相〉の見せ方です。それまでの推理が一転するような衝撃を受けました。公務員という日々ルーティンの中にいる身としては、こういう予想外の展開は本当に心地よいリセット感があります。仕事の合間の息抜きにぴったりでした。気軽に読めるのに、終わった後も考えさせられる。文庫本という手軽さも含めて、本当に満足度の高い一冊です。
2026年08月17日
推し活の一環で購入してみたのですが、正直なところ期待と現実のギャップがありました。 イタリアロケというコンセプトは素敵で、192ページの大ボリュームというのも魅力的だったんです。ただ、実際に手に取ってみると、写真がメインなので読み応えという点では物足りなさを感じてしまいました。公務員をしているので、仕事の休憩時間にサッと楽しめる本を探していたのですが、これは腰を据えてじっくり眺める形式なんですね。 メンバーたちの魅力は十分伝わってくるのですが、各ページでの掘り下げが浅いというか、ビジュアル重視なので、もう少し背景にあるストーリーや制作秘話みたいなものがあれば、より愛おしさが増したと思います。推し活としての価値は理解できますが、気軽に読書を楽しみたい私には、ちょっと物足りなかったというのが正直な感想です。写真集というジャンルの性質上、仕方ないのかもしれませんが。
2026年08月11日
プラハという街に惹かれて手に取りました。言語学者の視点で綴られるエッセイということで、知的な深さと旅の楽しさが両立した作品を期待していたのですが…正直なところ、可もなく不可もなくといった感じでした。 古本屋での出会いや街並みについての描写は素敵で、プラハへ行ってみたいなという気持ちになります。言葉や文化についての洞察も興味深いモーメントがいくつかあります。ただ、全体的に散漫な印象が拭えなくて。もう少し章立てに一貫性があるか、テーマが絞られていたら、もっと没入できたのかなと思います。 仕事で疲れた日に気軽に読むにはちょうどいいかもしれません。重すぎず、でも思考の種になる——そんな一冊ですね。プラハに関心がある方なら、もう少し評価は上がるかもしれません。
2026年08月07日
ミス・マープルを江戸に置き換えるなんて、こんな素敵な企画があるんですね。諸田玲子さんの時代小説ならではの、江戸情緒たっぷりのミステリーです。 主人公のおまあさんは、ニコニコしたおばあちゃんなんですが、その観察眼の鋭さが本当に面白い。浅草の庶民生活の中で見えてくる人間の本性や人間関係の複雑さ。仕事柄、書類ばかり扱っている身としては、こういう人間観察の視点がとても新鮮でした。 それぞれの短編が江戸の日常を舞台にしながらも、きちんと謎解きの面白さを備えているので、気軽に読み進められます。古典ミステリーの名作を知らなくても十分楽しめますし、むしろこの作品を通じて「ミス・マープルってこういう人なんだ」と発見できるのも良いですね。 江戸のグルメや風俗、人情がたっぷり詰まった世界観も心地よく、読んでいて本当にあの浅草の小家にいるような気分になります。忙しい日常の合間に、ほっと一息つける一冊でした。
2026年08月05日
シリーズの最終巻ということで、期待度MAX で手に取りました。下巻では前巻までの謎が一気に解き明かされていく快感を味わえます。 あざみというキャラクターの成長ぶりが本当に素敵で、序盤からの彼女の葛藤や決断の積み重ねが完結編でしっかり報われる感じがして、読んでいて思わずニッコリしてしまいました。都市伝説という題材を扱いながらも、単なるホラーではなく人間ドラマとしての厚みがあるのが、この作品の何よりの魅力だと思います。 公務員生活で疲れた時間帯に読むと、あざみが次々と立ち向かう難題を一緒に解いていくワクワク感が、自分のモヤモヤをスッキリ晴らしてくれるんです。謎解き要素としても綺麗にまとまっているし、ラスト数ページの余韻も素晴らしい。文庫本のコンパクトさも相まって、気軽に何度でも読み返せそうな一冊に仕上がっています。シリーズ完結が本当に惜しい作品です。
2026年07月31日
投資に興味を持ち始めたので、手軽に読める解説本を探していてこの本を手にしました。 株式投資の基本的な戦略について、シンプルにまとめられています。難しい金融用語をできるだけ避けて説明しているので、初心者でも理解しやすいのが良いところ。通勤時間にさっと読める気軽さも、忙しい公務員生活の私には助かりました。 ただ、正直なところ「なるほど」という発見はあまりありませんでした。基本に忠実で無難な内容という感じで、特に目新しい視点や深い洞察があるわけではない。既に投資について少し知識がある人には物足りないかもしれません。 入門書としては悪くないのですが、わざわざ時間をかけて読み返したいと思わせる説得力や面白さに欠けるような気がします。軽く読む分には良いですが、本当に投資を学びたいなら、もっと詳しい参考書に進んだ方が良さそう。人によって満足度が分かれる一冊ですね。
2026年07月25日
仕事帰りの電車の中で、ついサッと読み終わってしまった一冊です。 『One Piece』の第2巻ということで、主人公ルフィが新しい仲間たちと出会い、新たな敵に立ち向かっていくという流れなんですが、テンポがいいというか、とにかく話がサクサク進みます。キャラクターたちも個性的で、会う度に「この人どんなキャラなんだろう」という期待感がありますね。 ただ、個人的には少年漫画のアクション描写がいまいち頭に入ってこないというか、戦闘シーンの迫力をうまく想像できませんでした。それと、若干テンポよすぎて、キャラクターとの関係性がもう少し深く描かれていてもいいのかなと思います。 気軽に楽しめるエンタメとしては十分面白いし、朝の準備の時間に読むのにちょうどいい。ただ、小説のように心に残る何かを求めると、物足りなさを感じるかもしれません。続きが気になる程度には面白いので、次の巻も試しに読んでみようかなという感じですね。
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