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もののけ寺の白菊丸 夏への扉

もののけ寺の白菊丸 夏への扉

瀬川 貴次 / 大西 実生子 集英社 2026年4月16日

感想

平安時代を舞台にした連作ものということで、ある程度の面白さは期待していたのですが、正直なところ想像の域を出ませんでした。 白菊丸という御落胤の少年が、寺での日常生活を送りながら、周囲の大人たちによる政治的陰謀に翻弄されるという設定は、確かに興味深いです。表面的には無邪気な少年と、その背後で展開する危険な権力闘争というコントラストも悪くない。ですが、その緊迫感や危機感が、読み手にまで十分に伝わってこないんです。 キャラクター造形も丁寧ではあるのですが、どうにも没入感に欠ける気がしました。歴史冒険小説として読むには若干物足りないし、人物ドラマとして読むにも、感情的な深みが不足しているように感じます。 装甲本という手軽なフォーマットだからこそ、もう少し話にメリハリがあってもいいのではないかなと思いながら読み進めていました。つまりのところ、及第点は満たしているのですが、わざわざ続きを追いかけたいほどの魅力には、私は感じられませんでした。慎重派の私としては、次巻を手に取るかどうか、もう少し迷いながら考えようと思います。

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