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漱石人生論集

漱石人生論集

夏目 漱石 講談社 2015年10月10日

感想

漱石の作品は以前から好きでしたが、小説ばかり読んでいて、彼がどのような人生観を持っていたのかは詳しく知りませんでした。このエッセイ集を手に取ったのは、出久根達郎の選編という点が大きな決め手です。信頼できる読み手による選別なら間違いはないだろうという考えもありました。 期待通り、素晴らしい一冊でした。小説では断片的にしか見えなかった漱石の思想が、講演録やエッセイを通じてより直接的に伝わってきます。人間関係の悩みや仕事のストレス、人生の意味についての葛藤など、現代を生きる私たちが今なお抱く問題に対して、漱石がどう向き合っていたのかが実に示唆的です。 特に心に残ったのは、漱石が「完全な人間になることを求めるのではなく、不完全さとの付き合い方」について述べている部分です。39歳になった今、自分の限界を受け入れることの大切さを改めて感じさせられました。古典でありながら、その言葉は決して古びていません。会社員として日々を過ごす中で、立ち返るべき考え方がここにはあります。慎重に本を選ぶ私だからこそ、自信を持っておすすめできる作品です。

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