橋本 美月の本棚
死んだ山田と教室

死んだ山田と教室

金子 玲介 講談社 2024年5月15日

感想

本屋大賞のノミネート作ということで手に取ってみたのですが、こんなに一気読みさせられるとは思いませんでした。 青春時代の教室という、誰もが通る場所。その教室に突然、死が訪れる。その事実が引き起こす波紋を丁寧に描いています。辻村深月さんや金原ひとみさんの推薦文にある通り、「自分はなぜ生きているのか」という根本的な問いが、この作品を貫いています。 57歳になると、あの頃の青春がどれほど貴重で二度と戻らないものだったか、本当によく分かる。だからこそ、この作品の切実さが胸に響きます。重いテーマなのにユーモアを失わない筆致、そしてキャラクター一人ひとりの声が生き生きしていることに驚きました。 受賞歴も多く、話題作というのが頷けます。パートの帰りの電車の中でも続きが気になって、つい読み込んでしまいました。全世代に読んでもらいたい一冊ですが、特に人生経験を積んだ大人こそ、その深さを感じられるのではないでしょうか。

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