本屋大賞受賞作ということで期待して読みましたが、正直なところ思ったより引き込まれませんでした。 物語の核となる男女の関係性に関しては、描写が丁寧で心理描写も深いんです。世間の常識に逆らいながら、それでも惹かれ合う二人の感情が伝わってくる部分はあります。ただ、その一方で全体的に暗くて重い雰囲気が最後まで続くので、読んでいてちょっと疲れちゃいました。 映画化も決定しているみたいですし、作品としての完成度は高いんだと思います。でも、僕としてはもう少し光の部分が欲しかったというか。重いテーマに真摯に向き合う作風は素晴らしいんですけど、個人的には漫画やライトノベルで慣れてる読み味とは違う感じで、途中で読み進めるのが少し大変でした。 評判が高いのは理由があるんだろうけど、万人受けする作品ではないのかなという印象です。興味がある人は、あらかじめレビューをしっかり読んでから手に取った方がいいと思います。
最近登録された他の本の感想
2026年08月15日
『このミステリーがすごい!』大賞作ということで、期待値高めで手に取りました。確かに冒頭から仕掛けられた罠は見事で、読み進めるにつれてどんでん返しが次々と現れます。複数のフェイズを通して物語が展開していく構成は、書評家たちが指摘する通り上手いと感じました。 ただ、正直なところ、予想の斜め上をいく展開を何度も用意されると、後半になるにつれ「また来たか」という気持ちになってしまったんです。ミステリーとして上質なのは間違いないんですけど、僕個人としては、どんでん返しの連続よりも、一つの真実に向かって着実に進んでいく推理の過程を味わいたい気がします。 小学校の事件という設定も不気味さがあって悪くないのですが、登場人物たちとの距離感がなかなか縮まらず、感情移入しきれなかったのが惜しい。エンタメ性重視の作風なんだと思いますが、もう少し人間ドラマの深さがあれば、さらに引き込まれたんじゃないかな。ミステリー好きなら絶対楽しめる作品だと思うので、気になった人は試してみる価値ありです。
2026年08月13日
正直、最初は地雷本じゃないかって心配でした。だって説明文だけじゃ何が起きるのかよくわからないじゃないですか。でもレビューの評判が良かったから、恐る恐る手に取ってみたんです。 そしたら、もう止まりませんでした。女アレックスという存在が本当に魅力的で、監禁される側なのに読み進めるにつれて状況が複雑に絡み合っていく。予想を裏切られるというのはこういうことなんだなって実感しました。 ライトノベルしか読まない自分が途中で何度も続きが気になって徹夜してしまったくらい。キャラクターの心理描写が丁寧で、彼女が何を考えているのか、どんな計画を立てているのか、その全てが衝撃の形で明かされていく過程がたまりません。 確かに難易度は高めかもしれませんが、だからこそ読む価値があるというか。新しい世界を開かせてくれた一冊です。ミステリ好きならもちろん、いろいろなジャンルに挑戦したい人にもおすすめできます。
2026年08月02日
ヤクザの若頭と昏睡から目覚めたヒロインの関係を描いたラノベということで、ちょっと気になって手に取ってみました。借金と婚約という設定は確かに引き込まれるし、プロローグから章立てを見る限り、ストーリーがしっかり構成されているような印象を受けます。 ただ、実際に読んでみると…正直なところ、期待値と実際のギャップを感じてしまいました。ヤクザという危険な立場の人物との関係性を軸にしているのに、その緊張感がそこまで伝わってこなかったというか。設定は面白いんですけど、展開としてはパターン化された部分が多くて、新鮮味に欠ける感じがします。 キャラクターの描写は悪くないんですが、心理描写がもう少し深掘りされていると、より一層引き込まれたんじゃないかな。第一巻ということで、これからの展開に期待する部分もありますが、現時点では「まあこんなもんか」という評価になってしまいます。ラノベ好きなら手に取る価値はあるとは思いますが、特に急いで読む必要はないかも。
2026年07月25日
本屋で「血が逆流するような描写」というキャッチコピーに惹かれて手に取ったんですが、期待以上でした。女主人公・依子のキャラが本当に魅力的で、暴力を趣味とする設定だけでなく、背景にある心理描写がすごく丁寧に描かれています。普通のアクション小説だと思って読み始めたら、予想外の展開が次々と待ってて、一気読みしてしまいました。 特に良かったのは、会長の娘との関係が単純な護衛者と被護衛者に終わらず、複雑で深い絆が生まれていくところ。キャラクター同士の心理戦というか、背景にある秘密が明かされていく過程がめちゃくちゃ面白い。アクションシーンも迫力あるし、文章のリズム感も気持ちいいです。 ただ、バンコ版ということもあって、本編の短編も入ってたんですが、そこまで本編との繋がりが強くないのが少し残念。でも本編だけでも十分に完成度の高い作品になってます。アクションとドラマのバランスが絶妙で、漫画好きな自分にとっても文句なしに楽しめました。絶対におすすめです。
2026年07月19日
大学の授業で教育経済学について学ぶ機会があり、その準備として手にした一冊です。正直なところ、経済学の専門書は難しいのではないかと少し不安でしたが、この本はそんな心配を見事に払拭してくれました。 著者が各種研究データを基に、実際に効果のある教育投資とそうでないものを科学的に分析していく手法が非常に説得力があります。私たちが「当たり前」だと思っている教育への常識が、実はそうではないかもしれないという視点は本当に興味深い。ハンディ版という手軽さのおかげで、通学中にも読めるのが嬉しいポイントです。 ただ、章によってはデータが多めになる部分があり、集中力が必要な箇所もありました。それでも全体的には、これからの人生設計を考える上で参考になる情報がたくさん詰まっています。大学生には特におすすめできる一冊。将来について真摯に考えたい人なら、読む価値は十分あると思いますよ。
2026年07月18日
カフカの『変身』は、レビューサイトで「必読の名作」って書かれてたから、恐る恐る手に取った一冊です。正直、古典文学って難しいイメージがあったんですが、これは本当に独特でした。 朝起きたら虫に変わってるという、その荒唐無稽さが逆にリアルに感じられるんですよね。主人公の困惑や家族の戸惑いが淡々と描かれていて、変なところに妙な説得力がある。文体が冷静でレポートみたいだからこそ、余計にシュールさが際立つというか。 漫画とかライトノベルばかり読んでた自分にとっては、こういう哲学的で解釈の幅がある作品は新鮮でした。でも短編だから読みやすいし、謎のまま終わるのも心に残ります。海外文学って難しいと思ってた人こそ、試しに読んでみる価値ありです。
2026年07月15日
ガラスの仮面の連載再開を記念した44巻、やっぱり期待を裏切らない面白さです。マヤと亜弓が月影千草の前で紅天女を演じるシーンは、長年のファンなら絶対に見逃せない重要な場面。二人の緊迫した空気感が漫画から伝わってきて、引き込まれてしまいました。 特に印象的だったのは、月影が差し出したコップ一杯の水というシンプルな小道具なのに、そこに隠された意図が見える構成の上手さ。美内すずえ先生の細やかな心理描写があるからこそ、一杯の水にこんなに深い意味が生まれるんだなと改めて感じます。マヤと亜弓それぞれの反応の違いにも注目する価値があります。 長く続いている作品だから「今から読んでも大丈夫かな?」と不安な人もいるかもしれませんが、このシリーズの盛り上がりどころを逃す方がもったいないと思いますよ。演劇の奥深さと少女漫画としての良さが完璧に融合した一冊。おすすめです。
2026年06月30日
正直、最初はこの本をどう評価すればいいか迷いました。書店で手に取った時も、タイトルだけじゃ内容がつかみづらくて。でも帯の「あなたの心も救われるやさしい物語」という文句が引っかかって、思い切って買ってみたんです。 読み始めたら、その判断が正解だったと確信しました。東京とシドニーを舞台に、喫茶店のココアから始まるストーリーが、こんなにも心にしみ込むなんて。最初は独立した短編かなと思ってたけど、読み進めるうちに全てが繋がっていく構成にほんとに驚かされました。 何よりいいのは、決して重くならない点です。卵焼きやネイルといった日常の小さな出来事が物語の要素になるんですけど、そこに温かみがあって、読んでいて自分の心もほぐされるような感覚です。最近は疲れやすいからこういう優しい話が本当に必要だったんだと気づきました。 文庫本だから持ち運びやすいのも、講義の合間に読むのに最適。ライトノベル好きな自分でも満足できる優しさと、物語としての完成度の高さがあります。迷ってる人には、ぜひ読んでほしい一冊です。
2026年06月30日
大学生活の中で「このままでいいのか」という不安に襲われることが多かったんですが、この本を読んでそういう焦りが軽くなりました。著者の大原扁理さんの生き方って、世間的には「変わった人」かもしれないけど、読んでみるとすごく納得できるんです。 何が良かったって、説教くさくないところですね。「こう生きるべき」って押し付けるんじゃなくて、実際にやってみたことを淡々と書いてる感じで。年収90万円でも楽しく生きてる実例が、逆に「自分たちが不安に駆られてるのって、本当に必要だからなのかな」って考え直すきっかけになりました。 ただ正直に言うと、完全に著者と同じ生き方ができるとは思いません。でも「社会的成功」みたいな一つの価値観に縛られなくてもいいんだっていう心の余裕が手に入った気がします。特に就職活動を控えた今、この本に出会えたのは良かった。読んでて不安が少し減りました。
2026年06月24日
就活という時間軸を通して、若者たちの本音と建前の葛藤を描いた作品です。SNSでの発言と実際の想いのズレ、面接での自分演出——その違和感は、同じ年代としてすごく共感できました。 ただ、正直なところ、読んでいて「なるほどな」と思いつつも、心に深く刺さるほどではありませんでした。登場人物たちの心理描写は丁寧なんですが、複雑すぎて、時々誰が何を考えているのか追いきれなくなるんです。漫画やラノベばかり読んでいるからかもしれませんが、もう少しキャラクターへの感情移入がしやすいと良かったな、という印象です。 内容としては、直木賞受賞作というだけあってちゃんと読む価値はあります。就活を控えた大学生には特に、自分たちの問題を客観的に見つめるきっかけになるかもしれません。でも、期待値が高すぎたのか、読んだ後の満足度は中程度といった感じです。無駄ではないけど、心から「みんな読むべき!」とは言いにくい、そういう一冊ですね。
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