流浪の月

流浪の月

凪良 ゆう

出版社:東京創元社 出版年月日:2019/08/29

東京創元社 | 2019/08/29

3.75
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

本屋大賞受賞作だからという理由で手に取ったこの作品、予想を大きく上回る面白さでした。 「愛ではない。けれどそばにいたい。」という帯のフレーズに惹かれて読み始めたんですが、この一文だけで物語の本質がつかめているような気がします。世間的には批判されるであろう二人の関係性を、決して美化することなく、かといって単純に非難することもなく描き出す筆力に引き込まれました。 プログラミングの論理的思考に慣れた頭でも、人間関係の複雑さや感情の機微はコードでは解けない問題だなと改めて感じさせられます。各登場人物の視点が交錯する構成も工夫されていて、同じ事象を違う角度から見ることで、物語に奥行きが生まれていく。仕事の合間に少しずつ読み進めるのに丁度いいペースで読めました。 映画化も決定しているようですが、この小説だからこそ成立する世界観を、スクリーンでどう表現するのか非常に気になります。小説として完成度高く、何度も読み返したくなる一冊です。

感想

本屋大賞受賞作ということで期待して読みましたが、正直なところ思ったより引き込まれませんでした。 物語の核となる男女の関係性に関しては、描写が丁寧で心理描写も深いんです。世間の常識に逆らいながら、それでも惹かれ合う二人の感情が伝わってくる部分はあります。ただ、その一方で全体的に暗くて重い雰囲気が最後まで続くので、読んでいてちょっと疲れちゃいました。 映画化も決定しているみたいですし、作品としての完成度は高いんだと思います。でも、僕としてはもう少し光の部分が欲しかったというか。重いテーマに真摯に向き合う作風は素晴らしいんですけど、個人的には漫画やライトノベルで慣れてる読み味とは違う感じで、途中で読み進めるのが少し大変でした。 評判が高いのは理由があるんだろうけど、万人受けする作品ではないのかなという印象です。興味がある人は、あらかじめレビューをしっかり読んでから手に取った方がいいと思います。

感想

本屋大賞受賞作ということで期待を持って手に取りました。確かに文章の力強さと、主人公たちの複雑な関係性を丁寧に描く構成は評価できます。社会的な常識と個人的な感情の葛藤、それを支える人間関係の描き方には、創作の巧さを感じました。 ただ、私自身が感情移入できなかった部分があるのが正直なところです。周囲の反対を押し切って関係を続けるという選択肢への説得力が、読み進めても十分に得られませんでした。「愛ではない。けれどそばにいたい」というコンセプトは興味深いのですが、その先にある人間関係の行き着く先についても、もう少し深掘りがあれば良かったと感じます。 映画化されるということで、スクリーンでの表現がどう活かされるのか気になります。小説として完全に満足はしませんでしたが、それでも賞を獲得した意味は理解できる作品です。万人向けではないかもしれませんが、このテーマに惹かれる方なら一度目を通す価値はあると思います。

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