久美_readerの本棚
感想

本屋大賞受賞作だからという理由で手に取ったこの作品、予想を大きく上回る面白さでした。 「愛ではない。けれどそばにいたい。」という帯のフレーズに惹かれて読み始めたんですが、この一文だけで物語の本質がつかめているような気がします。世間的には批判されるであろう二人の関係性を、決して美化することなく、かといって単純に非難することもなく描き出す筆力に引き込まれました。 プログラミングの論理的思考に慣れた頭でも、人間関係の複雑さや感情の機微はコードでは解けない問題だなと改めて感じさせられます。各登場人物の視点が交錯する構成も工夫されていて、同じ事象を違う角度から見ることで、物語に奥行きが生まれていく。仕事の合間に少しずつ読み進めるのに丁度いいペースで読めました。 映画化も決定しているようですが、この小説だからこそ成立する世界観を、スクリーンでどう表現するのか非常に気になります。小説として完成度高く、何度も読み返したくなる一冊です。

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