久美_readerの本棚
感想

話題になっていたので手に取ってみたんですが、正直なところちょっと物足りなかったというのが素直な感想です。 重いテーマを扱った作品ということは理解しているんですけど、主人公の心理描写がもう少し丁寧だったらなあと感じました。エンジニアの仕事をしていると、複雑なロジックや人間の動機を追っていく癖がついてるせいか、秀一の決断に至るまでのプロセスが駆け足に感じてしまったんです。 もちろん、限られた紙面でそこまで細かく書くのは難しいんだろうなというのは分かります。でも、こういった極限の状況に追い込まれた若者の心理こそが、この作品の核になるべきじゃないかと思うんですよ。その部分がもう少し掘り下げられていたら、もっと引き込まれたんじゃないでしょうか。 文章そのものは読みやすいし、湘南という舞台設定も良いんです。だからこそ、あと一歩踏み込む勇気があれば、かなり良い作品になれたんじゃないかなという、もどかしさが残ってしまいました。

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