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生物はなぜ死ぬのか

生物はなぜ死ぬのか

小林 武彦 講談社 2021年4月14日

感想

最近になって「死」について考える機会が増えてきた。そんな時期にこの本に出会えたのは、なかなかいい巡り合わせだったと思う。 生物学者の視点から、死がなぜ必然なのかを丁寧に説いた本書は、難しい科学の話なのに、思いのほかサラッと読める。新書というフォーマットもあってか、気軽に手に取れるし、ページもそこまで重くない。年を重ねてきた身としては、老化への漠然とした不安や恐怖が、実は生物としての自然なプロセスなんだということが腑に落ちるのが良い。 「死は悪いものではなく、種の繁栄のために必要な仕組みなのだ」という著者の主張は、正直、最初は受け入れがたかった。だけど読み進むうちに、それもまた一つの真理なのかもしれないと感じさせてくれる。難しい医学用語も出てくるけれど、決して小難しくなく、むしろ人生の後半戦を生きる者にとって必要な視点をくれた。死を知ることで、今をもっと大切にしようという気持ちになった。

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