本と珈琲の本棚
感想

仕事もひと区切りついたこの頃、昔から気になっていた『異邦人』をようやく手に取りました。文庫本の扱いやすさもあって、通勤電車の中での読書にぴったりでしたね。 はじめは主人公ムルソーの行動の不自然さに戸惑いました。常識的な人間らしい反応がない。でも読み進むうちに、その「ズレ」こそが作品の核なのだと気づかされます。論理的で秩序立った世の中が、実は不合理で矛盾に満ちているんじゃないか。そんなことを考えさせられました。 カミュの思想は難しいと思っていたのですが、この物語の構成は意外とシンプル。だからこそ心に残るのかもしれません。人間とは何か、生きることの意味とは何かを問い続ける作品。六十を過ぎて読むと、妙に胸に響くものがあります。 古典だからと敬遠するのはもったいない。時間をかけてゆっくり噛み砕きながら読む価値のある一冊だと思いました。

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