本と珈琲の本棚
感想

定年も近いこの歳になると、世の中の大事件がどうやって世間に明かされるのか、そういうところに興味が湧いてくるんですね。この本はニクソン大統領の不正を追う二人の記者の活動を描いたものですが、読み始めたら一気に引き込まれてしまいました。 何十年も前の事件とはいえ、今読んでも色褪せない緊迫感があります。二人の若き記者が、権力の壁に立ち向かいながら真実を求めていく過程が、じつに丁寧に描かれているんです。どうやって情報を集めて、誰を信頼するのか、そういった判断の連続が物語を通じて伝わってくる。 文庫版だから気軽に読める点も気に入っています。嘱託の仕事から帰ってから、少しずつ読み進めるのにちょうどいいボリューム感です。記者たちの地道な取材活動を追うなかで、自分も一緒に真実を探している感覚に陥ってしまう。そういう引き込まれ方が、いい本の証拠だと思います。ジャーナリズムの力を改めて感じさせてくれる一冊でした。

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