了巷説百物語

了巷説百物語

京極 夏彦

出版社:KADOKAWA 出版年月日:2026/04/24

KADOKAWA | 2026/04/24

3.50
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

了巷説百物語シリーズも第7巻。いやあ、毎度のことながら、この世界観の作り込みには唸らされます。憑き物落としに化け物遣い、そして洞観屋の主人。こいつらがどう絡み合うのか、そもそもどいつが本当に何を企んでいるのか……そういう複雑さが心地よい。 最初の巻から追っかけていると、登場人物たちの過去も見えてくるし、それぞれの思惑がどんどん深くなっていく様が実感できる。今回はいよいよ大仕掛けの決着とのこと。正直、ここまで来るのに長かった。でもその長さがあるからこそ、この第7巻の重みが出ている気がします。 怪異譚という形をとりながらも、人間ドラマをきっちり描き込んでいる。年寄りになると、そういう構成美が堪らんですな。気軽に手に取った時間潰しのつもりが、いつも気づくと物語の奥底まで引きずり込まれている。文庫版で手軽に読める形なのもありがたい。次の展開が気になるけど、このあたりが一つの区切りになってるんでしょうか。しばらくして、また続きが出るのを待つのも悪くない。

感想

了巷説百物語シリーズの完結巻ということで、前巻からの流れを期待して読み始めました。これまでのシリーズで登場してきた個性的なキャラクターたちが集結し、複数の物語が絡み合うという設定は面白いんですが、正直なところ読んでいて少し置き去りにされた感覚がありました。 話の筋は一応追えるんですけど、登場人物が多い割に心理描写が薄いというか、キャラクターの行動理由がいまいちピンとこない場面が何度かありました。特に終盤にかけての展開は、もう少し丁寧な説明があってもいいんじゃないかなって思います。 ただ、〈憑き物落とし〉や〈化け物遣い〉といった設定の面白さや、江戸怪談ものとしての世界観は十分に魅力的です。和風ファンタジーっぽい雰囲気も好きなので、つまらないわけではないんですよね。ボリュームもあるし、読み応えはあります。 シリーズを最後まで追う価値はあると思いますが、最高傑作とまでは言いにくいというのが正直な感想です。慎重に続きを選ぶタイプなら、前巻を確認してから手に取ることをお勧めします。

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