本と珈琲の本棚
マカン・マラン

マカン・マラン

古内一絵 中央公論新社 2025年11月20日

感想

定年前のこの年代になると、人生経験って大事だなって改めて思うんですね。この本を読んでいて、そう強く感じました。 シャールという主人公が、元エリートサラリーマンからドラァグクイーンになっているというだけで、もう心つかまれてしまいました。人生って予想外の道へ進むことなんてざらですからね。そのお店で出される料理の数々が、各エピソードの登場人物たちの心を温めていく。優しさってこういう形であるんだなって、しみじみと感じながら読みました。 四つの物語は短編ながらも、それぞれ独立した人生ドラマが詰まっていて、どれもが良かったです。特に、料理を通じて人と人がつながっていく過程が自然で、作為的でない。これが10年愛され続けているというのも納得できます。 久しぶりに、読んだ後に心がほっこり温かくなるような本に出会った気がします。気負わずにさっと読めて、それでいて深い余韻が残る。嘱託の身で日々を過ごしている身には、こういう本がいいですね。仕事で疲れた日の夜、ゆっくり読むにはぴったりの一冊です。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ