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カップ焼きそばの謎

カップ焼きそばの謎

塩崎 省吾 早川書房 2025年12月17日

感想

カップ焼きそばの歴史を掘り下げるというコンセプトは確かに興味深い。UFOやペヤングといった懐かしい商品名が並ぶだけで、一定の世代にはノスタルジックな引力がある。だがそこが問題なのだ。 本書は食品産業の競争史として読むには、肝心な部分が浅い。メーカーの「熱意と創意」は繰り返し強調されるものの、実際の開発秘話や技術的な工夫については記述が不足している。むしろ、各商品の誕生と衰退を順年代的に並べているだけに近い印象を受けた。 新書というフォーマットの制約もあるだろうが、もっと深掘りできた部分は多くあったはずだ。例えば、なぜカップ焼きそばは焼きそば市場内で独自の地位を築けたのか。消費者心理の変化はどう影響したのか。そうした本質的な問いに対する答えが曖昧なままだ。 懐かしい商品に対する親愛の念で読み進める分には悪くないが、一定の深さを求める読者には物足りない一冊である。

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