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一千万人誘拐計画

一千万人誘拐計画

西村 京太郎 KADOKAWA 1983年3月2日

感想

十津川警部補シリーズは定番だが、このタイトルを見かけたとき思わず手に取ってしまった。一千万人誘拐という荒唐無稽なプロット設定ながら、物語に引き込まれるのは著者の力量だろう。 警視庁とバカげた計画を立てた犯人の対決という基本構図は単純だが、組織内の動きや時間的プレッシャーの描き方が秀逸だ。管理職の身としては、大規模事件対応時の指揮系統や判断のプロセスといった部分にも自然と目が行く。著者が丁寧に描いているのが分かる。 文庫版ということもあり、通勤電車での読書に最適。適度なページめくり感と、短編の面白さと長編の深さを兼ね備えた作品だ。話題作をチェックしておきたい身としても、ミステリ・警察小説好きなら必読といえるだろう。十津川シリーズに関心がなかった人でも、このエンタテインメント性の高さなら十分楽しめるはずだ。

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