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世界から猫が消えたなら

世界から猫が消えたなら

川村元気 小学館 2014年9月18日

感想

映画化の知らせを聞いて、やっぱり読んでおこうと手に取った一冊。正直なところ、こういった「世界からモノが消える」という設定は少しフィクションっぽいなと思っていたんですが、読み始めたら一気に引き込まれてしまいました。 郵便配達員の主人公が脳腫瘍の宣告を受けて、悪魔との奇妙な取引で命を繋ぐという展開。重いテーマなのに、どこか温かみがあるんです。特に猫との関係性が素敵で、自分も自営業で人間関係に疲れることがあるからか、この主人公の葛藤や決断がすごく響きました。 何より良かったのは、消えるモノたちをめぐるエピソード一つ一つが丁寧に描かれていて、読んでいて「あ、これがなくなったら確かに世界は変わるな」と実感させられるところ。映画も気になりますが、この小説の世界観は文字だからこそ伝わる深さがあると思います。久しぶりに、本当に好きだなと感じられた作品でした。