世界から猫が消えたなら

世界から猫が消えたなら

川村元気

出版社:小学館 出版年月日:2014/09/18

小学館 | 2014/09/18

4.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

映画化の知らせを聞いて、やっぱり読んでおこうと手に取った一冊。正直なところ、こういった「世界からモノが消える」という設定は少しフィクションっぽいなと思っていたんですが、読み始めたら一気に引き込まれてしまいました。 郵便配達員の主人公が脳腫瘍の宣告を受けて、悪魔との奇妙な取引で命を繋ぐという展開。重いテーマなのに、どこか温かみがあるんです。特に猫との関係性が素敵で、自分も自営業で人間関係に疲れることがあるからか、この主人公の葛藤や決断がすごく響きました。 何より良かったのは、消えるモノたちをめぐるエピソード一つ一つが丁寧に描かれていて、読んでいて「あ、これがなくなったら確かに世界は変わるな」と実感させられるところ。映画も気になりますが、この小説の世界観は文字だからこそ伝わる深さがあると思います。久しぶりに、本当に好きだなと感じられた作品でした。

感想

映画化決定のニュースを見かけて手に取った一冊。こういう時代もの(いや、これは現代もので、でもこれからの話でもあるのかな…)の掘り出し物って、意外と素敵な出会いになることが多いんです。 主人公の郵便配達員が脳腫瘍を宣告されて、悪魔から「世界から何かを消す代わりに一日の命を得る」という取引を持ちかけられる設定。最初は少し重たいテーマかなと覚悟していたのですが、読み始めると思ったより温かい。陽気な悪魔のキャラクターがいいアクセントになっていて、シリアスな中にも笑いや優しさが散りばめられています。 仕事で毎日忙しくしていると、つい今あるものの大切さを見落としてしまいます。この本は、映画オタクの主人公が電話や映画といったものを消していく過程で、本当に大事なものが何かを問い直してくれる。七日間という限定された時間軸も良く計算されていて、ページをめくる手が止まりませんでした。 ただ、終盤に向かって若干の予定調和感を感じたのが、星をひとつ減らした理由です。それでも十分に感動できる、気軽に読めて心に残る良い一冊だと思います。

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