panの本棚
感想

ボルヘスや澁澤龍彦に影響を与えたという惹句に惹かれて手に取った一冊。象徴主義世代の短篇傑作選ということで、深い思想性と不可思議な世界観を期待していました。 実際に読んでみると、確かに一編一編が短くコンパクトにまとまっていて、読みやすいんですよね。「黄金仮面の王」や「地上の大火」といった作品は、独特の象徴的イメージで惹きこまれます。新訳も含まれているので、翻訳による読み心地の違いも感じられて興味深い。 ただ、正直なところ全体的にはどこか距離感を感じてしまいました。象徴主義特有の晦渋さというか、意図的な難解さが、スルスルと読み進めたい私にはちょっと重たく感じたのかもしれません。作品によって当たり外れも感じてしまい、最後まで「これだ!」という没入感を得られませんでした。 古典として重要な作品集であることは理解しますし、文学的価値は高いと思います。ただ気軽に読書を楽しみたい私としては、もう少し親しみやすい表現だと、より好きになれたかなという印象です。