裕子の本棚
感想

辞書編集という、一見地味だけれど実は奥深い仕事を題材にしたこの本。最初は「こんなテーマで大丈夫だろうか」と心配しながら読み始めたのですが、途中からすっかり引き込まれてしまいました。 登場人物たちが言葉と向き合う真摯な姿勢、特に定年を控えたベテラン編集者の人生観には胸が打たれます。わたしも長年働いてきたので、仕事に対する執念と責任感、そして人生の最後の時間をどう使うかという問題に共感できました。 言葉ひとつひとつが丁寧に選ばれているこの作品は、文庫で読むのに相応しい。字のサイズも読みやすく、何度も立ち止まって考えさせられるような表現がたくさんあります。人間関係もほのぼのとしていて、不器用ながら一生懸命な人たちの物語は本当に素敵です。 年配読者にも若い世代にも勧められる、本当に良い作品だと思います。

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