本大好きおじさんの本棚
死ぬ消える終わる怪談

死ぬ消える終わる怪談

神沼三平太 竹書房 2026年2月28日

感想

医療の現場で日々、人間の生死に向き合う仕事をしていると、こういった怪談ものがなぜか心に引っかかります。この本は単なる恐怖話ではなく、因果応報や人間の業というテーマが深く織り込まれていて、大人の読み物として上質だと感じました。 特に印象的だったのは、各話が「死」だけに終わらず、「消える」「終わる」という多様な不幸の形を描いている点です。患者さんとの関わりの中で、時には医学では説明できない現象に出会うことがあります。そういう時に、この作品が描く不可思議な世界観がどこか現実と繋がっているような感覚に襲われました。 怖いだけでなく、読み終わった後に人生について考えさせられる。通勤時間や休日の合間に気軽に読める文庫本として、ちょうど良いボリュームです。全13編ですが、どれも手が抜かれていない。医療従事者として、「報いあり。救いなし」というキャッチコピーの重みが特に身に沁みました。

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