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かがみの孤城 下

かがみの孤城 下

辻村 深月 ポプラ社 2021年3月5日

『かがみの孤城』下巻を読み終わった。上巻から引き継いだこの物語の謎が、ここで見事に解き明かされる。 教育現場にいる身として、学校という場所での"生きづらさ"が実にリアルに描かれていることに心を打たれた。登場人物たちの一人ひとりが抱える問題は、私の生徒たちの姿とも重なる部分が多い。作者がこれほどまでに丁寧に向き合っているのを見ると、自分たちも同じ姿勢で子どもたちと接しなければならないと改めて感じる。 物語の終盤に向けて、緻密に仕組まれた伏線が次々と回収されていく快感がある。SFとしての仕掛けも秀逸だが、本質的には人間関係の再構築と自己肯定感の回復を描いた心温まる小説だ。 話題作として読む価値は十分だったが、単なるベストセラーではなく、教育者としても強く推奨したい一冊になった。生きづらさを感じている人だけでなく、そうした人たちに向き合う大人たちにも、ぜひ読んでほしい。