東京創元社の推薦文に惹かれて手に取ったこの一冊、期待以上でした!ベルリンの刑事弁護士エーファが関わった九つの事件を描いた連作短編なんですが、どれも一筋縄ではいかない複雑さがあって、ページをめくる手が止まりません。 ミステリとしての謎解きの面白さはもちろんなんですけど、この作品の本当の魅力は「すべてが解決した後」にあるんだと感じました。判決が出た、事件は終わった…のはずなのに、そこから浮き彫りになる人間の複雑さとか、正義って何なんだろう?という問いがずっと心に残る。軽く読める短編集だと思ってたら、かなり深い。 連作としても完璧に構成されていて、読み進めるごとにキャラクターへの理解が深まっていくのが気持ちいいです。難しい法律知識がなくても全く問題なく楽しめますし、むしろ人間ドラマとしてグイグイ引き込まれます。大学の授業の合間にちょっとずつ読むのに最適な一冊。ミステリ好きさんはもちろん、そうじゃない人にもおすすめしたい傑作です!
最近登録された他の本の感想
2026年08月11日
SNSで話題の黒猫ろんのシリーズ、8巻目ということで手に取ってみました。相変わらず可愛らしい黒猫さんの日常が描かれていて、ほっこりできる一冊です。 ろんと、まめ、みた、しんばという個性的なキャラクター達の関係性がさらに深まってきたのが良いところ。毎回の絵日記はもちろん、描き下ろしや写真コラムも充実しているので、ボリューム感はあります。キャラが立っていて、見ていて癒やされるのは確かですね。 ただ、8巻まで来ると、構成やテンポの面でちょっとマンネリ感が出てきた気がするのは正直なところ。新しい展開や驚きがあまりなく、「いつもの可愛さ」を繰り返しているような印象を受けました。もちろんそれが好きな人には最高だと思いますが、私としては「あ、またこんな感じか」という感覚に。 気軽に流し読みできて、黒猫好きさんには嬉しい一冊。でも新しい魅力を求めている読者には、ちょっと物足りないかもしれません。
2026年08月04日
親友が妊娠したときの、ちょっと複雑な感情を言語化できたことに感動しました。この作品は、そういう微妙な心境を丁寧に描いてくれるんです。 主人公の由良は、独身で子どもがいない人生を選んだ人。そこに親友の妊娠という出来事が起きて……という設定だけ見ると、何か説教的な話になるのかと思いきや、全然違う。むしろ、人生の選択肢って複数あって、どの道を歩んでも、その先には葛藤とか喜びとか、複雑な感情が待ってるんだなって痛感させられます。 紗倉まなの筆致が本当に素敵で、日常のつまらなさや退屈さの中にも、ちゃんと人間らしい温かみがあるんですよ。読みやすいのに、後からじわじわ心に残る感じ。大学の講義の合間に読んでも、本気で考えさせられます。 狂気と正気が混在するような世界観、って帯に書いてありますが、本当にそう。でも不気味なんじゃなくて、なんだか優しい。気軽に読めるようで、実は深い。そういう作品が好きな人に、特におすすめです。
2026年06月12日
タイトルの「悪女たちのレシピ」に惹かれて手に取りました。毒々しい雰囲気の短編集で、登場人物たちが繰り広げる不可解な行動や秘密が次々と明かされていく構成は、確かに魅力的です。 各編ともダークなテーマを扱っていて、一見するとドロドロとした人間関係の話かと思いきや、意外な展開もちょくちょくあります。特に「見つめていたい」はストーカーという怖いテーマながらも、後半で引っ張られました。 ただ、全体的に「短編だからかな」と感じるのは、キャラクターの心理描写が少し浅いような気がしたこと。もっと登場人物たちの内面に深入りしたいのに、短い話数の中ではどうしても限界があるのかもしれません。六篇あるので、もう少し厚みのある作品があってもよかったかな…という印象です。 気軽に読めるダークな短編集が好きな人には楽しめると思いますが、心理サスペンスとして濃い読み応えを期待すると、ちょっと物足りないかもしれません。
2026年06月10日
中米への旅を計画してから、このNational Geographicの地図が欲しくて購入しました。実際に手にしてみると、想像以上に素敵です! サイズがちょうどよくて、壁に貼るのにぴったり。細部まで丁寧に描かれているので、眺めているだけで中米の地理や国々の位置関係が自然と頭に入ってきます。色合いも落ち着いていて、インテリアとしても部屋の雰囲気を邪魔しません。 正直なところ、地図だから特別な楽しみ方があるわけではないですが、実用性と美しさが両立しているところが好きです。旅の計画を立てるときに重宝しますし、「あ、ここは山が多いんだ」とか「こんなに離れてるの?」みたいな発見もあります。 小説やエッセイばかり読んでいる私にとっては珍しい選択肢でしたが、視覚的に情報を得られるのって意外と面白いんだなと気づきました。旅好きな人、地理に興味がある人はもちろん、壁に何か飾りたいなと思ってる人にもおすすめです。
2026年06月09日
SUPER BEAVERの渋谷龍太さんのエッセイ集ということで、どんな内容だろうって手に取ってみたら、本当に良い意味で期待を裏切られました。音楽活動で培った表現力が、文章でも遺憾なく発揮されてるんです。 エッセイのどれもが日常のちょっとした違和感や、誰もが感じたことありそうな感覚を独特の視点で切り取ってて、くすっと笑えたり、ちょっと考えさせられたり。タイトルの付け方も秀逸で、「この気持ちフロム塩化ビニール」とか「イッツマイノットマイフェイバリット」みたいなセンスが随所に光ってます。 収録されてる新作小説も「幸せ」や「夢」っていう普遍的なテーマなのに、著者ならではの優しさとユーモアが込められてて、さらりと読めるのに心に残ります。気軽に読める軽さと、ちゃんと考えられた深さが両立してる感じが気に入りました。 大学生の私たちが頭の中でぐるぐる考えてることを、こんなに上手く言葉にされると「あ、これ分かる」って感覚になって、めっちゃ共感できます。気持ちよく読み終えられる一冊です。
2026年06月08日
「強盗殺人犯の弟」という重いテーマなのに、一気読みしてしまいました。兄が獄中から月に一度送る手紙を通じて、弟の人生がどう変わっていくのかという構図がシンプルなのに、その奥底に流れる絆や苦悩の深さにどんどん引き込まれていく感じ。 特に心に残ったのは、恋愛や就職といった誰もが経験する人生のターニングポイントで、弟がどうしようもない「運命」と向き合う場面。罪を犯した家族を持つことの苦しみって、本人たちの努力では解決できない部分があるんだなって改めて考えさせられました。 でも、この本が単に暗いだけじゃないところが好き。兄と弟の関係性とか、周りの人たちとの繋がりの中に、ちゃんと温かさとか希望みたいなものが感じられるんです。気軽に読める文庫本の雰囲気なのに、読んだ後にしばらく考え続けてしまう。こういう「心に残る小説」を探してた私にぴったりでした。人生について深く考えたくなったときに、誰かに勧めたい一冊です。
2026年06月08日
映画化されていたから気になって手に取ってみたんですが、これが本当に面白かった!ミステリ小説ってなんだか難しそうで敬遠していたんですけど、この作品はぐいぐい引き込まれちゃいました。 ペンションに閉じ込められた中での連続殺人事件という設定だけで既にドキドキなのに、登場人物たちがそれぞれ個性的で魅力的で。特に名探偵同士の掛け合いがテンポよくて楽しい。神宮寺淳みたいなトリッキーな展開が好きな人なら絶対ハマると思う。 驚いたのは、随所に散りばめられた伏線がちゃんと回収されること。読んでいる途中は「これなんだろう?」って思ってた細かいディテールが後になって活きてくるんです。その達成感がたまりません。デビュー作でここまでのクオリティって本当にすごいなって思いました。 気軽に読める冒険ミステリを探してる人、映画が気になってた人、ぜひ試してみてほしい。文庫本だし読みやすいから、ミステリ初心者にも本当におすすめです。
2026年06月08日
ショッピングモールのピアノって、実生活でもたまに見かけますよね。そういう身近な設定だったので、つい手に取ってしまいました。 物語は一台のピアノを中心に、色々な人生が交差していく構成。各登場人物の悩みや背景が丁寧に描かれていて、読んでいて「あ、この人の気持ちわかるな」って思える瞬間がいくつもありました。特に子育ての話題や、世代を超えた人間関係の繋がり方がリアルで良かった。 ただ、正直なところ、ストーリー全体としては想像の範囲内というか、予想通りに進んでいく感じは否めません。温かい話ですし読みやすいんですけど、何か心に強く引っかかるものはなかったというのが本音。気軽に読むには十分満足できる一冊だけど、深く考えさせられたり、読み終わったあとも忘れられない...みたいなインパクトは欲しかったかな。 短編集みたいなテンポの良さが好きな人や、ほんわかした話が好きな人にはぴったり合いそうです。私も楽しく読めましたし、悪くない一冊ですよ。
2026年06月08日
101歳になっても相変わらず辛辣で、そのくせ温かい。佐藤愛子さんのエッセイ集を読んでいると、年を重ねるって本当に素敵だなって思わされます。 90代後半から最近までの『婦人公論』でのインタビューと未収録エッセイがまとめられているんですが、スーパーでの買い物とか日常のちょっとした出来事から始まる話が、いつの間にか深い人生観に繋がってるんですよね。その自然さが心地いい。 何度も「もう書かない」って言いながら書き続けてきた著者の矛盾や迷いも素直に語られていて、完璧じゃない人間らしさが伝わってきます。兄サトウハチローとの思い出話も興味深かったし、小室眞子さんの結婚についての考え方も、さらりと品よく語られていて参考になりました。 巻頭の写真で著者の書斎が見られるのも良かった。こういう「今」の肉声を聞く感覚って、エッセイだからこそ成立するんだなって改めて感じます。気軽に読めるのに、終わった後になんだか大事なことを教えてもらった感覚が残る、そういう一冊です。
2026年06月06日
シリーズもついに11巻!毎回ページをめくるたびにドキドキさせてくれるこの作品、今巻もやられました。 ペネロペとイヴォンの対峙シーン、もう最高です。二人の関係性がどう変わっていくのか、そこまで読まされてしまう構成が本当に上手い。イクリスの行動の真意も気になるし、ペネロペがどうやってこの状況を乗り切るのか、予想がつかないのが面白い。 マンガだからこそ表情の細かい変化が伝わってくるのもいいんですよね。イヴォンの「様子が変」という不気味さが絵からビシビシ伝わってきて、この先どうなるんだろう…って一気読みしちゃいました。 登場人物たちがみんな何か隠してて、その黒い部分がちょっとずつ見えてくるのがこのシリーズの醍醐味。次巻が気になって仕方ありません。続きが早く読みたい!
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