ひだまりのストリート・ピアノ

ひだまりのストリート・ピアノ

河邉 徹

出版社:PHP研究所 出版年月日:2026/02/19

PHP研究所 | 2026/02/19

3.50
本棚登録:2人

みんなの感想

感想

ショッピングビルの広場に置かれたピアノという、シンプルながら心温まる設定に惹かれて手に取りました。正直なところ、こうした装置的な話は時々説教臭くなる傾向があるので慎重でしたが、この作品はそうした不安を見事に払拭してくれました。 登場人物たちの人生の断面をピアノを通じて描く構成が素晴らしい。仕事と育児の狭間で揺れる女性、SNSの時代を生きる若者、喪失感を抱える老人——立場も年代も異なる人々が、ピアノという接点で微かに繋がっていく。そのさりげなさが良いのです。説明的にならず、それぞれのエピソードが自然と重層的に見えてきます。 特に心に残ったのは、ピアノの撤去をめぐる後半の展開。そこで描かれるのは単なるノスタルジアではなく、変化の中で何が本当に大切かを問う視点。39歳の身として、仕事の中での自分の価値や人間関係を改めて考えさせられました。 穏やかなのに深い余韻が残る。会社員として忙しい日常の中でも、ほっと一息つきながら読み進められる良い作品だと思います。

感想

ショッピングモールのピアノって、実生活でもたまに見かけますよね。そういう身近な設定だったので、つい手に取ってしまいました。 物語は一台のピアノを中心に、色々な人生が交差していく構成。各登場人物の悩みや背景が丁寧に描かれていて、読んでいて「あ、この人の気持ちわかるな」って思える瞬間がいくつもありました。特に子育ての話題や、世代を超えた人間関係の繋がり方がリアルで良かった。 ただ、正直なところ、ストーリー全体としては想像の範囲内というか、予想通りに進んでいく感じは否めません。温かい話ですし読みやすいんですけど、何か心に強く引っかかるものはなかったというのが本音。気軽に読むには十分満足できる一冊だけど、深く考えさせられたり、読み終わったあとも忘れられない...みたいなインパクトは欲しかったかな。 短編集みたいなテンポの良さが好きな人や、ほんわかした話が好きな人にはぴったり合いそうです。私も楽しく読めましたし、悪くない一冊ですよ。

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