百一歳。終着駅のその先へ
中央公論新社 | 2025/03/07
みんなの感想
101歳になっても相変わらず辛辣で、そのくせ温かい。佐藤愛子さんのエッセイ集を読んでいると、年を重ねるって本当に素敵だなって思わされます。 90代後半から最近までの『婦人公論』でのインタビューと未収録エッセイがまとめられているんですが、スーパーでの買い物とか日常のちょっとした出来事から始まる話が、いつの間にか深い人生観に繋がってるんですよね。その自然さが心地いい。 何度も「もう書かない」って言いながら書き続けてきた著者の矛盾や迷いも素直に語られていて、完璧じゃない人間らしさが伝わってきます。兄サトウハチローとの思い出話も興味深かったし、小室眞子さんの結婚についての考え方も、さらりと品よく語られていて参考になりました。 巻頭の写真で著者の書斎が見られるのも良かった。こういう「今」の肉声を聞く感覚って、エッセイだからこそ成立するんだなって改めて感じます。気軽に読めるのに、終わった後になんだか大事なことを教えてもらった感覚が残る、そういう一冊です。
同じくらいの年代の著者が百一歳まで元気に執筆し続けているというのが、なんだか勇気をもらえるなあと思って手に取りました。婦人公論のインタビューとエッセイをまとめた一冊なんですが、101歳のご本人の思いが生き生きと伝わってくるんです。 スーパーでの買い物の話から時事問題まで、日常のあれこれを軽やかに語りながらも、どこか深い視点が光っている。長く生きてきた人だからこその見方というか、余裕というか。特に「ただ思いをめぐらせているだけで、答を求めているわけではない」という言葉がすっと心に落ちました。年を重ねるってそういうことなのかもしれませんね。 断筆宣言を何度も覆して書き続けたというエピソードも素敵です。自分の気の向くままに、やりたいことをやり続ける。そういう生き方もあるんだなって。気軽に読める一冊ですが、読み終わった後、自分の人生についてもじんわり考えさせられました。
101歳という年齢を重ねてなお、これほどまでに言葉が生き生きしている人がいるだろうか。この本を読んでいて、そう思わずにはいられませんでした。 90代後半から最近までのインタビューとエッセイを集めたこの一冊は、単なる「長生きの秘訣」みたいな上っ滑りな内容ではなく、日々の暮らしの中で感じたことを素直に、そして歯切れよく語り続ける著者の姿勢が貫かれています。スーパーでの買い物の話から始まって、時事ネタまで、どれもが軽やかで、押し付けがましくない。 働き続ける自分にとって、「ただ思いをめぐらせているだけで、答を求めているわけではない」というくだりは、特に響きました。何か答えを出さなければ、結論を出さなければと焦りながら生きていたなと気づかされます。思考そのものを楽しむ、その過程を大事にする――それってこんなに自由で気持ちいいことなんだ、と。 写真入りで執筆風景も紹介されているので、視覚的にも著者の日常が身近に感じられます。気軽に手に取れて、でも読み終わったあとに人生について考えさせられる。そういう味わい深さが、この本の最大の魅力だと思います。