のんちゃんの本棚
百一歳。終着駅のその先へ

百一歳。終着駅のその先へ

佐藤 愛子 中央公論新社 2025年3月7日

感想

101歳という年齢を重ねてなお、これほどまでに言葉が生き生きしている人がいるだろうか。この本を読んでいて、そう思わずにはいられませんでした。 90代後半から最近までのインタビューとエッセイを集めたこの一冊は、単なる「長生きの秘訣」みたいな上っ滑りな内容ではなく、日々の暮らしの中で感じたことを素直に、そして歯切れよく語り続ける著者の姿勢が貫かれています。スーパーでの買い物の話から始まって、時事ネタまで、どれもが軽やかで、押し付けがましくない。 働き続ける自分にとって、「ただ思いをめぐらせているだけで、答を求めているわけではない」というくだりは、特に響きました。何か答えを出さなければ、結論を出さなければと焦りながら生きていたなと気づかされます。思考そのものを楽しむ、その過程を大事にする――それってこんなに自由で気持ちいいことなんだ、と。 写真入りで執筆風景も紹介されているので、視覚的にも著者の日常が身近に感じられます。気軽に手に取れて、でも読み終わったあとに人生について考えさせられる。そういう味わい深さが、この本の最大の魅力だと思います。

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