吹けば飛ぶよな男だが(1)
KADOKAWA | 2023/03/01
みんなの感想
この本は本当に良かったわ。渋谷龍太さんのエッセイということで、正直最初は音楽の話ばかりなのかと思っていたのだけど、全くそんなことはありませんでした。 日常の何気ないことを本当に素敵な視点で書いているのね。「箸置きとコースター」だなんて、私たちの生活にあるものばかりなのに、読むとなるほどな、と思わせてくれる。人生長く生きていると、こういう「ああ、そっか」という発見がうれしいものです。 それに小説も素敵。「幸せ」や「夢」という大きなテーマを扱っているのに、押しつけがましくなくて、さらりと読めてしまう。78歳の身としては、人生を振り返りながら読むのが格別です。 文庫ではなく単行本だから目も疲れにくいし、パート帰りにぼんやり読むのにちょうどいい。真面目すぎず、でも心に残る。こういう本は本当に大好きです。また読み返したくなる一冊ですね。
SUPER BEAVERのボーカル・渋谷龍太のエッセイ集。正直なところ、音楽業界の人のエッセイがどんなものか少し懐疑的だったのだが、読んでみて大きく考えが変わった。 日々の何気ない出来事を素材にしながら、そこから「幸せ」や「夢」といった本質的なテーマへと導いていく手法が実に洗練されている。タイトルだけ見ると軽めのエッセイかと思うが、各編が意外と深い。「三十」や「ぱぱー」といった作品では、人生の転換点や家族との関係性が丁寧に描かれており、同じ中年男性として共感するところが多々ある。 収録されている小説も良い。エッセイとは違う視点から「幸せ」を問い直していて、思わず何度も読み返してしまった。 話題の人によるエッセイ本というジャンルは、往々にして消費的なものになりがちだが、本作は違う。一冊の書籍として完成度が高く、年配の読者にも十分耐えられる内容だ。最近読んだエッセイ集の中では、最も面白かったと言い切れる。