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ジニのパズル

ジニのパズル

崔 実 講談社 2019年3月15日

感想

ジニという一人の女性を通じて、アイデンティティって本当に複雑だなって改めて感じさせられた。東京、ハワイ、オレゴンと場所を移されるたびに、彼女がどう自分と向き合っているのかが細かく描かれていて、読んでいて息苦しさと同時にどうしようもない共感があった。 朝鮮語がわからないまま朝鮮学校に通う葛藤、二つの言語の狭間で生きることの辛さ—こういった具体的な経験って、正直なところ自分と遠い世界だと思ってた。でもジニの視点で物語が進むにつれて、「居場所を探す」「何者かになりたい」という普遍的なテーマとしてぐんぐん引き込まれていった。 構成も工夫されていて、過去と現在が交錯しながら一つのパズルのピースが揃っていく感じがいい。群像新人文学賞受賞作だっていうのも納得できる完成度だと思う。気軽に読める本とは言いがたいけど、一気読みしてしまった。もやもやした感情を抱えたまま終わることになるけど、その余韻がずっと残る。そういう読書体験も好きだ。

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