手紙

手紙

東野 圭吾

出版社:文藝春秋 出版年月日:2006/10/01

文藝春秋 | 2006/10/01

3.50
本棚登録:4人

みんなの感想

感想

「強盗殺人犯の弟」という重いテーマなのに、一気読みしてしまいました。兄が獄中から月に一度送る手紙を通じて、弟の人生がどう変わっていくのかという構図がシンプルなのに、その奥底に流れる絆や苦悩の深さにどんどん引き込まれていく感じ。 特に心に残ったのは、恋愛や就職といった誰もが経験する人生のターニングポイントで、弟がどうしようもない「運命」と向き合う場面。罪を犯した家族を持つことの苦しみって、本人たちの努力では解決できない部分があるんだなって改めて考えさせられました。 でも、この本が単に暗いだけじゃないところが好き。兄と弟の関係性とか、周りの人たちとの繋がりの中に、ちゃんと温かさとか希望みたいなものが感じられるんです。気軽に読める文庫本の雰囲気なのに、読んだ後にしばらく考え続けてしまう。こういう「心に残る小説」を探してた私にぴったりでした。人生について深く考えたくなったときに、誰かに勧めたい一冊です。

感想

話題の名作ということで期待を込めて読みましたが、正直なところ思ったほどではありませんでした。 兄弟の絆と罪の問題を扱うテーマ自体は確かに重要です。ただ、構成が少々単調に感じられて、進学、恋愛、就職という人生の各段階で同じパターンの葛藤が繰り返される点が、かえって話を散漫にしているような印象を持ちました。弟の視点に寄せすぎているせいか、兄の人物像が薄く、獄中からの手紙の内容ももっと掘り下げてほしかった。 加害者家族という難しいテーマに正面から向き合おうとする姿勢は評価できますが、描写の深さや人間関係の複雑さという点で、もう一段階の工夫が欲しかったです。自営業をしていると同世代の作品との比較もしてしまいますが、似たテーマを扱った他の作品の方が、より繊細な心理描写があったと思います。 長年多くの人に読み継がれている理由は理解できますが、現代を生きる私たちにとって、この作品がどこまで響くのかは疑問が残りました。

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