てつの本棚
傾国悪女は処刑台にて微笑む(仮)

傾国悪女は処刑台にて微笑む(仮)

当麻リコ スターツ出版 2026年4月3日

感想

歴史の教科書には載らない、異なる視点の物語というのは本当に面白いものですね。この作品を手にしたのは、生徒たちに「歴史とは何か」を問い直させるような授業ができないかと考えていたからでした。 そして期待以上の収穫がありました。タイトルから想像する通り、一般的には「悪女」とされてきた人物を主人公に据え、彼女の内面を丁寧に掘り下げていく筆致は本当に秀逸です。権力の中心にいながらも翻弄される人間の葛藤、運命に抗おうとする意志—それらが処刑台へと至る道のりで次第に輝いていく様は圧巻でした。 エッセイ的な考察も随所に散りばめられており、歴史的背景と個人の心理が見事に織り交ぜられています。教員としても、物語としても、どちらの視点からも十分に満足できる一冊です。生徒たちにも読ませてみたくなりました。気軽に開いても深く思考させてくれる、そんな良書に出会えるのは本当に幸せなことですね。

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