てつの本棚
さざなみのよる

さざなみのよる

木皿 泉 河出書房新社 2018年4月18日

感想

話題になっていたので手に取ってみました。小国ナスミという人物の人生を軸に、死と再生のような不思議な世界観が描かれています。 正直なところ、期待値と実際のイメージにズレがありました。感動と祝福の物語というコピーから、もっと温かく包み込むような読後感を想像していたのですが、読んでみるとその解釈は人によってかなり分かれそう。独特の世界観を築いている点は評価できますし、著者の世界観への没入感は素晴らしいのですが、ストーリー展開としては少々曖昧な部分が多く、スッキリした感覚には至りませんでした。 教員という職業柄、人間関係や人生の機微について考えさせられる作品は好みなのですが、この作品はその辺りの踏み込み方が浅いように感じてしまいました。文体は洗練されていますし、決してつまらない本ではないのですが、何度も読み返したくなるほどの魅力は感じられなかったというのが正直な感想です。

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