はるかの本棚
感想

直木賞受賞作とのことで、気になっていた一冊です。映画化決定というニュースも見かけていたので、ちょうど良いタイミングで手に取りました。 子どもが示す不可思議な言動を通じて、親の心理がどう揺さぶられるかが丹念に描かれていて、読んでいてぐっと引き込まれました。妹が見せる言葉や行動の一つ一つが、本当に起きているのかそれとも一時的な心理状態なのか、その曖昧性を保ったまま物語が進む緊張感が素晴らしい。管理職の身として、親の判断の難しさや迷いの中での決断がとても身近に感じられました。 表題作の「花まんま」は特に秀逸で、子どもの視点と大人の視点が交錯する中で、深い問いかけが静かに立ち現れてきます。他の収録作品も家族をめぐる機微が繊細に描かれており、どれも読み応えがあります。 単なる奇想譚ではなく、家族とは何か、生と死とは何かといった根本的なテーマに向き合う力を持った作品。映画化も相まって、今こそ多くの人に読んでもらいたい一冊です。

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