和子の本棚
感想

話題作ということで手に取ってみました。直木賞作家による家族小説、期待も大きかったのですが…正直なところ、可もなく不可もない、という印象です。 三十路のひきこもり息子と高齢の姑を含む四世代八人が一堂に会する日常を描いた作品。家族の絆やドタバタの中での温かさを描きたかったのだろうということは伝わります。各世代のキャラクターも立てられていますし、読みやすい文体です。 ただ、どうしても物足りなさが残ってしまいました。これまで読んだこの作家の作品の方が、もっと人物描写に深みがあったように思います。登場人物たちの成長や変化がやや表面的に感じられ、心がぐっと掴まれることがありませんでした。 ベストセラーになるだけの親しみやすさはあります。家族との関係に悩む世代なら共感する場面もあるでしょう。ただ、話題だから読んでみようというレベルでしたら、特に急いで手に取る必要はないかな、というのが率直な感想です。気軽な読み物として十分ですが、印象に残る一冊になるかどうかは読み手次第だと思います。

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