和子の本棚
肩ごしの恋人

肩ごしの恋人

唯川 恵 集英社 2004年10月1日

感想

直木賞受賞作ということで、話題になっていた『肩ごしの恋人』をようやく読むことができました。 「るり子」と「萌」という対照的な二人の女性を軸に、女性らしさや幸せについて真摯に問い直す作品です。女であることを武器に生きる者と、恋に臆病な者—どちらも等身大で、説教的にならないところが素晴らしい。自分たちの人生に真摯に向き合う姿勢に、この年代だからこそ共感できるものがありました。 会社員生活も長くなると、仕事も恋も人間関係も含めて「ここから先、自分はどう生きるのか」という問いが重くなってきます。この本はそんな問いに正面から向き合い、複数の選択肢や生き方を示してくれるような感覚があります。解説の江國香織さんの言葉も印象的で、読後にもう一度手に取りたくなりました。 文庫本という手軽さも相まって、人生のしおりとしても手元に置いておきたい一冊。新しい家族のあり方についての視点も、時代に合わせた温かみがあり、多くの女性読者に届く作品だと感じます。

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