山口の本棚
感想

話題作だということは前から知っていたけれど、ここまで強烈な世界観だとは思いませんでした。身体改造という、一見するとアンダーグラウンドな題材なのに、そこに恋愛の揺らぎや人間関係の複雑さがこんなに丁寧に描かれているなんて。 主人公ルイの心の動きが本当に繊細に紡がれていて、ついつい引き込まれてしまいます。ピアスや刺青といった身体への装飾が、単なるファッションではなく、自分らしさを求める葛藤の表現なんだと気づかされました。恋人アマとの関係、そしてシバさんという魅力的な大人との関わり方を通じて、どんどん変わっていく主人公の気持ちが、不穏だけど目が離せない。 49歳にもなると、若い時代には理解できなかった感情もいろいろ見えてくるものです。この本は世代を超えて、人が誰かに惹かれ、迷い、葛藤する様子をこんなにも鮮烈に表現できるんだと改めて感じさせてくれました。芥川賞作品は外れがないという評判も納得です。気軽にとは言えないかもしれませんが、一度は読んでおく価値のある一冊だと思います。

ブクログからブクマへ
かんたん引っ越し

読書記録や感想をそのまま移行。
数分の準備で、ブクログの本棚をブクマへ。

詳しく見る
ブクログからブクマへの引っ越しイメージ