明日、あたらしい歌をうたう
水鈴社 | 2026/02/26
みんなの感想
仕事の疲れで何か心がすっきりしない日々が続いていた時に、この本に出会いました。200ページとコンパクトなのに、がっつり感動を詰め込んだ一冊です。 新と、その母くすかの二人の人生が音楽を通じてつながっていく様子が本当に丁寧に描かれていて、読みながら自分の人生のことも考えてしまいました。親子の関係って、子どもの頃には見えていなかった親の背景があるんだなって。特に、くすかが救われた「あの音楽」が後半どんな役割を果たすのかという流れが素敵でした。 短編のような見た目ですが、登場人物たちの心の動きが細かく描かれていて、ページをめくる手が止まりません。恋愛小説としても、親子小説としても、どちらの視点で読んでも深い。41歳の今だからこそ、親世代の複雑な気持ちや人生の転換点の重さがよく理解できた気がします。 仕事の合間の休み時間で読むのに、ちょうど良い長さなのも好ポイント。疲れた心に、ほんのり温かい光が差し込むような読後感です。迷っている方には本当におすすめ。
200ページという短さに驚きました。通勤電車で数日で読み切ってしまいましたが、その濃密さと心地よさは、長編を読み終わった時のような充足感がありました。 新とくすかという二人の人物を軸に、音楽を通じて描かれる親子の絆と、それぞれの人生の転機。教員をしていると、生徒たちの人生に影響を与える立場について考えることが多いのですが、この本は「一曲の歌」が人の人生をどう変えるかを静かに、しかし力強く描いている。その視点がとても好きです。 隠された真実が明かされる瞬間のドキドキ感も秀逸ですし、何より最後に「あたらしい歌」へと向かっていく二人の姿勢に、思わず応援したくなってしまいました。恋愛も親子関係も、普遍的でありながら誰もが経験する深い部分に触れている。 短編だからこそ、余計な説明がなく、読者の想像力に委ねられた部分も多い。その空白を埋めるように、自分自身の人生経験が重なってくる感じが素敵でした。忙しい時期こそ、こういった優れた短編にこそ出会う価値があるなと改めて感じます。
200ページという短さが嘘みたいに濃密な物語だった。親子の絆、音楽の力、そして隠された真実——こういった要素が自然に織り交ぜられて、ぐいぐい引き込まれた。 フリーランスだからかもしれないが、自分自身も親の背中を見ながら生きてきた身として、新が父の真実を知った瞬間の揺らぎがすごく響いた。「誰にも見えない存在」という新の少女時代の描写も切実で、その状況からの救い方が音楽という選択肢だったことに説得力がある。 くすかという女性のキャラクターも素敵で、一人の人間としてどう生きるかを真摯に向き合う姿勢が伝わってくる。二人の人生が一曲の歌に繋がっていくという設定も詩的で、ページを閉じた後もしばらく余韻が残った。 短編集かと思って手に取ったら、こんなに構成がしっかりした物語だったので、むしろ得した気分。気軽に読み始められるけど、心に残る——そういう意味で、このサイズ感って大事なんだなと改めて感じた。角田光代さんの優しい筆致も心地よい。
仕事の疲れを感じる日々の中で、この本に出会えてよかったと心から思います。 父の正体を知らずに育った新と、音楽に救われた母くすか。二人の人生が一曲の歌で繋がっていくストーリーは、読んでいて自然と胸が熱くなりました。医療現場で様々な人生に向き合う私だからこそ、親子の絆、そして予期しない出会いが人生を変える瞬間の重要性がジンと響いてきたんです。 200ページという短さなのに、これほどの感動が詰まっているとは。角田光代さんの筆致の美しさもあって、一気読みしてしまいました。特に、誰にも見えない存在として生きてきたくすかが、やがて誰かの母として輝く場面は本当に素敵でした。 人生の途中で「もうだめだ」と思うことは誰にでもあります。でもこの物語を読むと、そんな時こそ新しい何かが始まる予感がして、希望が湧いてくるんです。同年代の方はもちろん、若い世代にも是非読んでほしい一冊。私の人生も少し変わった気がします。