仕事の疲れを感じる日々の中で、この本に出会えてよかったと心から思います。 父の正体を知らずに育った新と、音楽に救われた母くすか。二人の人生が一曲の歌で繋がっていくストーリーは、読んでいて自然と胸が熱くなりました。医療現場で様々な人生に向き合う私だからこそ、親子の絆、そして予期しない出会いが人生を変える瞬間の重要性がジンと響いてきたんです。 200ページという短さなのに、これほどの感動が詰まっているとは。角田光代さんの筆致の美しさもあって、一気読みしてしまいました。特に、誰にも見えない存在として生きてきたくすかが、やがて誰かの母として輝く場面は本当に素敵でした。 人生の途中で「もうだめだ」と思うことは誰にでもあります。でもこの物語を読むと、そんな時こそ新しい何かが始まる予感がして、希望が湧いてくるんです。同年代の方はもちろん、若い世代にも是非読んでほしい一冊。私の人生も少し変わった気がします。