夜明けのはざま
ポプラ社 | 2026/09/02
みんなの感想
「間に合ったこと、間に合わなかったこと」という問いかけに、思わず立ち止まってしまいました。管理職として日々忙しく過ごしていると、つい「いつかやろう」と先延ばしにしてしまうことばかり。この本は、そんな私の心にすっと入り込んできました。 寂れた町の葬儀社を舞台にしながらも、決して重くはなく、むしろ温かく、時に優しくユーモアを交えて描かれています。大切な人との別れを通じて、残された者がどう生きるかを問い直す。葬儀社というテーマですが、実は「今、この瞬間をどう過ごすか」という人生そのものについてのエッセイを読んでいるような感覚になりました。 登場人物たちの後悔や痛み、そしてそこからの解放の過程が丁寧に描かれていて、45年生きてきた身としては特に共感できる部分が多くありました。仕事と人生のバランスについても改めて考えさせられます。本屋大賞受賞作というのも納得。気軽に読めるのに、心に残る良い一冊です。
本屋大賞受賞作ということで気になっていた一冊。手に取ってみて正解でした。 人生で間に合ったことと間に合わなかったことについて問いかけるこの作品は、私たち中年世代にとって特に響く内容だと感じます。葬儀社を舞台にしながらも、決して暗くはなく、むしろ「今をどう生きるか」という前向きなメッセージが全編を貫いています。 各章で登場する人物たちの人生模様が丁寧に描かれていて、どの話にも「あ、私もこんなことあるな」と思わず共感してしまう場面ばかり。後悔や痛みを抱えた人たちが、少しずつ前に進もうとする姿勢が素敵です。 文体も読みやすく、仕事で疲れた日の夜ふかしにもぴったり。限りある人生、後悔のないように生き切りたいという願いを改めて自分の中に問い直させてくれました。話題作というのは納得。周囲にも勧めたい一冊です。
本屋大賞受賞作ということで、つい手に取ってしまいました。葬儀社を舞台にした作品というと、どうしても暗いイメージを持ってしまうものですが、この『夜明けのはざま』は全く違う。読み終わった後、何とも言えない温かさが胸に残りました。 寂れた町の葬儀社に訪れるさまざまな人たちの物語を通じて、人生における「間に合ったこと」と「間に合わなかったこと」について考えさせられます。教員として日々、生徒たちの人生に少なからず関わる身として、この問い自体がとても心に響きました。 著者の筆致は決して説教的ではなく、自然と読み手の心に寄り添ってくるような優しさがあります。登場人物たちの後悔や痛み、それでも前に進もうとする姿勢が、静かだけど確かな感動を呼び起こします。短編集のような構成なので、時間がない時でも気軽に読み進められるのも良い。 「いつか」を待つのではなく「今」を生きること。シンプルだけど大切なメッセージを、これほど自然に、そして力強く伝えられるのは本当に素晴らしい。文庫版も手に取りやすいサイズで、ぜひ多くの人に読んでもらいたい一冊です。
本屋大賞受賞作というふれこみと、表紙の静けさに惹かれて手にとりました。葬儀社を舞台にした作品というのは珍しく、正直なところ重く沈みこむだけの話ではないかと少し慎重に構えていたのですが、読み進むにつれてその懸念は払拭されました。 著者は、死と向き合う人々の中に、実は人生を肯定する力強いメッセージを巧みに織り込んでいます。「間に合ったこと、間に合わなかったこと」というシンプルながら深い問い掛けが、読む者の心に静かに響きます。フリーランスとして自分のペースで仕事をしている身だからこそ、時間の使い方や後悔についての問題は他人事ではありません。 短編的なエピソードの積み重ねながらも、全体として一つの世界観が成立しており、各話の登場人物たちが抱える痛みや迷いが、決して絶望に向かうのではなく、むしろ「今をどう生きるか」という前向きな問題提起へと繋がっていく構成は見事です。特に後半へ向かうにつれて、物語に深みが増していくのを感じました。 完璧ではありませんが、人生を考え直すきっかけをくれる良い一冊です。
本屋大賞作家の新作ということで、発表されてすぐに手に取りました。期待通りの素晴らしい作品です。 葬儀社を舞台にした設定は重たそうに感じるかもしれませんが、むしろ生きることの本質に向き合う優しく温かい物語でした。登場人物たちが、後悔や喪失感とどう向き合い、それでも前に進もうとする姿勢が丁寧に描かれています。 公務員という仕事柄、人生のさまざまなステージにいる人たちと関わることが多いのですが、この本を読んでいると「間に合ったこと、間に合わなかったこと」という問いかけが、本当に多くの人に共通する悩みなんだと気づかされます。限られた時間の中で、どう充実した人生を送るか—それを考えるきっかけをくれる作品です。 文章も読みやすく、一気読みしてしまいました。話題になっているのも納得です。人生について深く考えたい時期の人にこそ、読んでほしい一冊。