ABC殺人事件

ABC殺人事件

アガサ・クリスティ / 堀内静子

出版社:早川書房 出版年月日:2003/11/01

早川書房 | 2003/11/01

3.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

アガサ・クリスティの『ABC殺人事件』、新訳版を読み終わりました。仕事の疲れで気軽に読める本を探していた時に見つけたのですが、予想以上に引き込まれてしまいました。 挑戦状から始まる連続殺人事件というプロット設定がまず秀逸。犯人からのメッセージが毎回示唆的で、事件の真相に至るまで最後まで気が抜けません。ポアロの推理の過程も無理なく展開していくので、長編ながらもテンポよく読み進められました。 新訳ということで、言い回しが現代的でとても読みやすかったのも好印象です。ミステリ作品としての完成度の高さはもちろん、登場人物たちの心理描写も丁寧に書き込まれていて、単なる謎解きの快感だけでない深みを感じます。 40代になると、昔ながのクリスティの作品も新しい視点で楽しめるんだなと改めて思いました。ミステリファンはもちろん、新訳で初めて読むという人にも本当におすすめできる一冊です。

感想

アガサ・クリスティの著作というだけで手に取った一冊です。話題の新訳ということで、昨今の流行に乗って読んでみました。 ご存知の通り、犯人を当てるまでのプロセスが秀逸で、綿密に構成された計画殺人という設定は実に興味深い。生徒たちにも推薦できる、知的興奮を与える傑作ミステリだと思います。 ただ、正直なところ期待値が高かっただけに、若干の物足りなさを感じました。現代の読者にとっては、トリック自体がやや予測可能な部分もあり、何度も読み返したくなるほどの衝撃はありませんでした。新訳の工夫も施されているようですが、それでも古典としての息吹は払拭できていない印象です。 とはいえ、ミステリの教科書的な価値は十分にあります。この作品を通じて、ミステリ文学の歴史と系譜を学ぶこともできました。決して悪い読書体験ではありませんでしたが、全盛期の傑作という触れ込みに比べると、個人的には「可もなく不可もなく」というのが素直な感想です。

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