パッキパキ北京

パッキパキ北京

綿矢 りさ

出版社:集英社 出版年月日:2023/12/05

集英社 | 2023/12/05

3.50
本棚登録:2人

みんなの感想

北京という街をこんなに鮮烈に描いた本、初めてです。著者の菖蒲さんの「人生エンジョイ勢」ぶりが本当に素晴らしい。夫の単身赴任に渋々ついていった中国での生活が、こんなにダイナミックで楽しいエンタメになるなんて。 自営業の私たちは世間の変化に敏感じゃないといけませんが、この本は中国というマーケットの「今」を肌感覚で感じさせてくれます。高級レストランから路地裏の屋台まで、実在の街の息遣いが伝わってくるんです。単なる駐妻エッセイじゃなく、異文化に対する真摯な観察力と、それでも自分らしさを失わない柔軟さが光っています。 笑いどころも満載で、一気読み確定。北京のカオスな交通事情の描写なんて、本気で爆笑しました。愛犬ペイペイとの日常も可愛らしく、人間ドラマとしても上質です。これからもっと中国に関わる仕事が増えそうな気がするので、背景知識として最高。話題作チェックの習慣が正解だったと改めて実感です。

「パッキパキ北京」を読み終わりました。コロナ禍の北京で繰り広げられる駐妻ライフの実体験記ということで、興味を持って手に取りました。 著者の菖蒲さんのバイタリティには本当に驚かされます。隔離期間も、言葉の壁も、カオスな交通事情も、すべてを前向きにエンジョイしてしまう姿勢は爽快感があります。食べ物のディテールな描写は読んでいて楽しく、北京という街の息遣いが伝わってくるようでした。 ただ正直に申し上げると、エッセイとしては少し散漫な印象を受けました。面白い話題が次々と登場する反面、一つひとつの深掘りが足りないというか。私たちのような慎重派には、もう少し「なぜそう思ったのか」という心情の機微が欲しかったところです。 また、極度に明るいキャラクターの主人公に対して、共感というより「この人はすごいな」という他人事感を持ち続けてしまいました。中国駐在経験者や冒険好きな方には大ヒット間違いなしですが、私のような読者には「可も不可もない」というのが素直な感想です。