「パッキパキ北京」を読み終わりました。コロナ禍の北京で繰り広げられる駐妻ライフの実体験記ということで、興味を持って手に取りました。 著者の菖蒲さんのバイタリティには本当に驚かされます。隔離期間も、言葉の壁も、カオスな交通事情も、すべてを前向きにエンジョイしてしまう姿勢は爽快感があります。食べ物のディテールな描写は読んでいて楽しく、北京という街の息遣いが伝わってくるようでした。 ただ正直に申し上げると、エッセイとしては少し散漫な印象を受けました。面白い話題が次々と登場する反面、一つひとつの深掘りが足りないというか。私たちのような慎重派には、もう少し「なぜそう思ったのか」という心情の機微が欲しかったところです。 また、極度に明るいキャラクターの主人公に対して、共感というより「この人はすごいな」という他人事感を持ち続けてしまいました。中国駐在経験者や冒険好きな方には大ヒット間違いなしですが、私のような読者には「可も不可もない」というのが素直な感想です。