粉瘤息子都落ち択

粉瘤息子都落ち択

更地 郊

出版社:集英社 出版年月日:2026/02/05

集英社 | 2026/02/05

4.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

マジで面白かった。この本、タイトルからしてなんか変だし、内容説明読んでも「え、これ何?」って感じだったんだけど、読み始めたらハマった。 主人公が引きこもってスト6やってマウンテンデュー飲んでるっていう、めっちゃ地味な日常が描かれてるのに、なぜか引き込まれちゃう。パワハラで退職して実家に帰らなきゃいけないのに帰れないっていう、なんとも言えない微妙な緊張感が常にあるんだよね。友人の忍との関係も面白いし。 ぶっちゃけ文学賞作品とか普段読まないんだけど、これはライトノベルとか漫画と違う面白さがある。地の文が自然だし、底辺青春小説って説明の通り、派手じゃないけど心に残る感じ。自販機での日常とか、メンクリとか、リアルな空気感がいい。 高専の勉強で疲れた時に読むのに最適。重くもなく軽くもなく、普通の感覚で読める。マジでおすすめ。

感想

選評で目にした金原ひとみ氏や岸本佐知子氏の言葉に惹かれて手に取った一冊です。正直、タイトルからは内容が全く想像できなかったのですが、その不気味さというか謎めいた感じが興味をそそりました。 読み始めると、引きこもり状態にある主人公・野中とその周辺の人間関係が、妙なリアリティを持って立ち上がってきます。パワハラ退職後の深い疲弊、友人からの奇妙な提案、九州の実家の事情——これらが絡み合う中で、一見つまらなそうな日常風景が、実は極めて濃密で切実なものとして描かれているんです。 新社会人として働き始めた自分にとって、この作品の「底辺」というテーマは決して他人事ではありませんでした。職場での人間関係、人生の選択肢、親への罪悪感——そうした重いものが、ゲームや自販機での散歩といった軽やかな日常に静かに層積されていく構成が秀逸です。 ただ、展開が予測しにくい部分があり、時々置き去りにされる感覚も覚えたので、すんなり読み進められるタイプの小説ではありません。それでも、本当に久しぶりに「読む快楽」を感じられた、選評の言葉通りの体験ができました。

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