逆ソクラテス

逆ソクラテス

伊坂 幸太郎

出版社:集英社 出版年月日:2023/06/20

集英社 | 2023/06/20

3.50
本棚登録:3人

みんなの感想

感想

本屋大賞のノミネート作と聞いて手に取った一冊ですが、伊坂幸太郎の「最高の読後感」というキャッチコピーに偽りなしでした。 収録された短編たちは、どれも「逆転」をテーマにしながら、私たちが無意識のうちに抱いている先入観をするりと脱がしていく。カンニングから始まる戦略、運動音痴の少年が立ちはだかる壁、スポーツ少年たちの敗北と再起—どれも一見地味な題材なのに、読み終わると世界の見え方がぐっと変わる。これが伊坂幸太郎の真骨頂だと改めて感じました。 特に印象的なのは、各編が完全に独立した物語でありながら、全体として一つの思想へ収束していく構成の妙です。仕事で疲れた日々の中で、「敵は先入観である」というシンプルなメッセージが、ここまで説得力を持つとは。 20年目のデビュー作とのことですが、確かにこれは勝負作です。久しぶりに心が軽くなる読み終わり方をしました。会社員として惰性で動きがちな自分への警鐘としても、いい一冊となりました。

感想

本屋大賞のノミネート作ということで気になって手に取ったのですが、率直に言うと期待と現実のギャップを感じてしまいました。 伊坂幸太郎の「逆ソクラテス」は、短編集という形式で、先入観を打ち破る少年たちの物語を描いています。各話とも「逆転」というテーマで統一されており、構想自体は面白いんです。ただ、どの話も似たような展開になっていて、読み進めるうちにパターンが見えてくる感じがしてしまいました。 「クラスメイトを巻き込んだ逆転劇」「運動音痴の少年の活躍」といった設定は、中高生時代の青春小説として読むには悪くありません。でも、大人が読むと、もう少し深みや意外性が欲しくなるのが正直なところ。公務員として日々の業務に追われる生活の中で読むと、もう一段階の驚きや思考の転換が求められる気がします。 伊坂幸太郎ならではの仕掛けがあるのは確かですが、この一冊については「可もなく不可もなく」というのが私の感想です。話題作だからこそ、期待値が高かったのかもしれません。

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