キッチン

キッチン

吉本 ばなな

出版社:KADOKAWA 出版年月日:1998/06/23

KADOKAWA | 1998/06/23

3.33
本棚登録:5人

みんなの感想

感想

話題になっていたので手に取ってみた一冊です。祖母を失った主人公が、思いがけない人間関係の中で心の居場所を見つけていく物語。白川義員さんの作品はこれが初めてでしたが、予想通り「キッチン」という日常空間を舞台に、人間らしい温もりを丁寧に描いています。 読んでいて思ったのは、この本の優しさは本当に優しいなということ。押し付けがましくなく、ただ日々の中で自然に心が解きほぐれていく過程が心地よいです。ただし、正直に言うと、話の展開としては予想の範囲内というか、起伏があまり大きくない印象を受けました。自営業をしていると、人間関係の複雑さや予想外の出来事に日々直面するので、もう少し何か引っかかるような要素があっても良かったかなと。 決して悪い本ではありません。むしろ落ち着いた時間に読むのに最適な一冊だと思います。ただ、話題作だからこそ期待値が高くなってしまい、読み終わった時に「良い話だな」で終わってしまったのが、若干物足りなかった理由かもしれません。

感想

祖母を失った主人公が、新しい家族との関係の中で心の空白を埋めていく——そういうテーマだと聞いて、ゆっくり読み進めてみました。 正直なところ、期待値に対しては及ばなかったというのが率直な感想です。温かみのある日常描写や、家族関係の微妙なニュアンスは丁寧に描かれており、それ自体は悪くない。キッチンという空間が物語の中心になっているという設定も興味深い。ただ、何か心に強く引っかかるような深さや、読み終わった後に考え込まずにいられないような強度が不足している気がします。 エンジニアという仕事柄、「なぜこの展開なのか」という論理的な必然性を求めてしまうところがあるのかもしれません。それでも、キャラクターの心情遷移や物語の構成を見ていると、もう少し何かが欲しい——そんな印象を払い切れません。 悪い作品ではありませんが、わざわざ手に取るほどではないかな、という判断です。新潮文庫版も存在するようですし、他の評判を参考にしながら判断してもいいでしょう。

感想

実は今まで見落としていた作品でしたが、同僚の書棚で見かけたので手にとってみました。祖母を失った主人公が新しい家族との関係を築いていく話なんですが、教員という職業柄、人間関係の機微に敏感になっているせいか、このお話の優しさがじんわり心に染みこんできたんです。 何も派手なドラマが起こるわけじゃない。でもキッチンという日常の空間で交わされる、さりげない会話や行動の中に、本当の温かさって隠れているんだなって感じさせてくれます。孤独と家族、失うことと得ることについて考えさせられるのに、重くなりすぎないバランスが絶妙。生徒たちに薦めたい本ですが、むしろ大人こそ読むべき一冊だと思います。 短編のような長さもちょうどいい。教員の仕事で疲れた帰宅後、サッと読めるのに心に残るものがある。そういう本に出会えるのって読書の醍醐味ですね。

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