てつの本棚
感想

実は今まで見落としていた作品でしたが、同僚の書棚で見かけたので手にとってみました。祖母を失った主人公が新しい家族との関係を築いていく話なんですが、教員という職業柄、人間関係の機微に敏感になっているせいか、このお話の優しさがじんわり心に染みこんできたんです。 何も派手なドラマが起こるわけじゃない。でもキッチンという日常の空間で交わされる、さりげない会話や行動の中に、本当の温かさって隠れているんだなって感じさせてくれます。孤独と家族、失うことと得ることについて考えさせられるのに、重くなりすぎないバランスが絶妙。生徒たちに薦めたい本ですが、むしろ大人こそ読むべき一冊だと思います。 短編のような長さもちょうどいい。教員の仕事で疲れた帰宅後、サッと読めるのに心に残るものがある。そういう本に出会えるのって読書の醍醐味ですね。